サザビーズでのオークション直後に、バンクシーの代表作がシュレッダーにかけられるという非常にショッキングでパンクな動画が、バンクシー自身によって公開されましたね。
*. "The urge to destroy is also a creative urge" - Picasso
破壊したいという衝動は、創造的な衝動である(ピカソ)
シュールですね。
非常にシュールですし、絵画というものがモノを所有するというよりは、物語を共有することであることを思い出すと、この衝撃的な物語もまた価値を高めるのに役に立つでしょう(「ヤバイ経済学かなにかの中で、モナ・リザの価値が上がったのはその作品の良さではなく、盗まれたことによると書いてありました、、、、と書いてから、ヤバイ経済学を調べてもモナ・リザには言及されていませんでした、、
それはさておき1911年8月21日にルーヴル美術館から盗まれ、嫌疑をかけられた者の中にはピカソもいたというこの歴史的な事件によってモナ・リザは不朽の名声を獲得します)。
バンクシーも盗まれてばかりでしたが、007かミッション・インポッシブルのようなSFチックな仕掛けで、落札直後にシュレッダーで自爆します。
ミッション・インポッシブルのミッションを指令する装置が伝言を伝えた直後に自壊するのにも似ています(似てないか)。
ミッション・インポッシブルと言えば、アップルがミッション・インポッシブルのパクリをやって少しだけ話題になりました。
パロディとしてはイマイチですが、Appleの新社屋の宇宙船の中が見れるのは楽しいです。
さんざん破壊されて、盗まれて、売られてきたバンクシーとしては、売れた瞬間に破壊するというのは、ひとつの絵画マーケットに対する復讐なのかもしれません(復讐にすらならず、マーケットはますます焼け太りするだけでしょうが)。
復讐と言えば、NewsPicsの取材に川谷絵音さんが、
そう思い返すと、結局、復讐なのかもしれませんね、一番のきっかけって。
と答えています。
何のきっかけかと言えば、ミュージシャンを志したきっかけです。
そう思い返すととは、、、
小中高と楽しかった記憶はひとつもないですね。大学に入っても。
よく学生時代が人生の最高潮で、高校のサッカー部の時の写真をSNSのアイコンやヘッダーにしている人とかいるじゃないですか。ほんと意味が分からなくて。
不良をやったり、バンドを組んだりして、調子に乗っている人たちが一番嫌いだったから。
と暗い過去を思い返しています。
このインタビューは相当に面白いです。
たとえば、作詞について、
ある種のゾーンに入って即興で書き上げて、ゾーンから抜けたら忘れてしまう。基本、怠惰な人間で家でダラダラしている時間のほうが長い。
そしてサビについて、
めちゃくちゃたくさんの音楽を聴いているので、特にサビのような耳に残るフレーズは自分の中に膨大にインプットされています。
だからこそ、自分が聞きたいメロディーで、なおかつ聴いたこともないメロディーが分かる。逆に、「これはもういいかな」という聞きたくないパターンは勝手に消去されていくんです。
などなど、いろいろインスパイアされることばかりです。
音楽がシェアから所有へと回帰する可能性についても。
絵画は決してデータにならないので、所有という価値が共有によって置き換わらない
でも、これって音楽がCDからストリーミング配信、そしてライブへというリアルに回帰しているのとも似ています。
「まといのば」の気功技術の商業利用についてと「感謝する死体」 2012-07-19
(ビジネスモデルの変化については、Greateful deadを例に紹介しました)。
復讐ということで言えば、Netflixで日本のドラマを観てしましました。
かなり面白かったです。ほぼ原作通りの流れで、いろいろ無理はある気がしますが、最後まで一気に見せます。主演の女優2人の怪演が見事ですね。
予告編だけでもかなりネタバレなのですが、、、
スクールカーストの残酷さを感じました。学校は閉ざされていて、周りとの交流が少なくて、均質すぎて、たしかに精神が病みやすいかもと思います。
見た目か中身かという議論は古いパラダイムという話を最近は良くセミナーでします。
いまは見た目第一主義の時代です。
じゃあ、中身はというアンシャン・レジームからの反論に対しては、「いやいや、中身は見た目に反映されるんですよ」というものです。
すなわち、見た目か中身かという二項対立が溶けてなくなっているのが、新しい価値観ということです。
![]() | 宇宙を駆けるよだか 1 (マーガレットコミックス) 1,990円 Amazon |
*宇宙を駆けるよだかは3巻で完結です!
じゃあ、生まれながらに不自由な顔の人は不幸なのか、、、と言えば、そんなことはないというのがこのドラマの結論でもありました。
心がブサイクなら、見た目が綺麗でもブサイクになる、と。
ああ、そんなテーマの映画もありました。
*沢尻さんが美しい。
入れ替えものと言えば、最近で言えば、前前前世の『君の名は』
少し前であれば、大林宣彦監督の『転校生』ですね。
この映画のオマージュが『宇宙を駆けるよだか』の中にありました。
100年先、200年先も聞かれる楽曲を作りたいというYoshikiさんは自分の音楽がどこから来ているかと言えば、「痛みと悲しみから」と答えています(最近、間近で拝見しました)(そう言えば、台風のための無観客ライブをニコニコ配信していましたねー)
*映画「WE ARE X」
愚かな占い師は未来は確定的だと考え、まともな占い師は未来は無限にあると考え、優秀な占い師は 2017-05-01 10:45:21
「すべてはうつろい、すべては過ぎ去るけど、、、、、、痛みだけが残る」(Yoshiki)
ミュージック・シーンを牽引する2人の発言は面白いですね。
ぼくらも過去の何かをシュレッダーにかけましょう!!
「破壊したいという衝動は、創造の衝動である( "The urge to destroy is also a creative urge" Picasso)」とピカソをつぶやきながら。