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Channel: 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ
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高い抽象度なんていらない???〜〜抽象度を上げるために読んでおきたい本10冊!〜〜

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「抽象度をもっと上げたいです!」「高い抽象度で全体像を観るようにしたいです」と言われることが最近多いです。

以前と違って最近の「まといのば」では「抽象度を上げて」などと言わなくなったのですが、面白い現象だなと思っています。

むしろ最近の流行は「抽象度を下げて」です(^o^)

もっと細部にこだわり、ディテールにこだわり、丁寧に着実にということをうるさく言っています。

誤解を恐れずに言えば、高い抽象度の視点というのは、あまり役に立たないのです。
いや、その抽象度の近くにいる場合は別です。でもそうでなければ、ただのお題目になってしまいます。


@master1305--fotolia
*写真は本文とは一切関係ありません。


たとえば、、、「彼女とうまくいかないんです」という相談に対して(まあ、こんな相談をするかどうは別として)、、

「宇宙の長い歴史から考えれば、我々の一生など一瞬でしかない。

老子も『天地は仁ならず。万物をもって芻狗となす』と言っているではないか。

我々の存在など、宇宙からすれば、お祭りで一瞬使われて、無残に捨てられる藁でできたおもちゃの犬でしかない。

彼女がどうとか気にしなくて大丈夫」

とか、高い抽象度で答えられても困ります。


*老子
*老子はまさに高い抽象度を具体的に語ることができる天才です!


何が困るのでしょう。


シンプルです。

我々は「高い抽象度」などそもそも求めていないのです。

我々は社会に役に立ちたい、誰かの喜ぶ顔を見たいと思っています。
(アウシュビッツを生き延びたヴィクトール・フランクルの言うように、それ以外の幸福があるとは思えませんし)

我々の用語で言えば、「社会に機能を果たす」ということです。

社会に機能を果たすことがゴールであって、その過程で必要とあらば「高い抽象度」を求めるのです。

しかし我々はしばしば目的と手段を混同します。

社会に機能を果たしたいとか、もしくはより具体的な自分のゴールを忘れて、手段でしかないものが目的化します。

その手段でしかないのに、目的化しやすいものリストは以下の通りです(^o^)

・気功
・内部表現書き換え
・深い変性意識
・高い抽象度
・ゴールの臨場感
・ハイエフィカシー
・IQ
・圧倒的な知識
・リベラルアーツ
・語学
・深い身体のゆるみ
・丹田・チャクラ




いや、リスト化しようと思ったら、アメブロの文字制限までいくらでも出せます。

これらは手段でしかないし、ツールでしかないのです。
手段がゴールを覆い隠してしまったら(スコトーマに隠してしまったら)本末転倒です。


アリストテレスの最後の書物が論理学についてのものでした。
論理はアリストテレス哲学の中でも最も重要なものです。
古代ギリシャ哲学では、ロゴス(論理)はアルケーとも目されており(アリストテレス自身はイデア説を採用していますが)、論理学は最重要の学問と言えます。

しかし賢明なアリストテレスはその論理学の書に「オルガノン」とつけます(弟子がつけたとも言われますが、それもアリストテレスの意を汲んでのことでしょうし)。すなわち論理学とは「道具箱」なのです。


数を神と崇めてしまった豆の嫌いなピタゴラスとはレベルが違います。

我々も抽象度もエフィカシーも(本当はゴール自体もですが、それを言うと混乱するので)、ただのツール(Tool)であると見抜いて、「機能を果たす」ことに邁進しましょう!!

空なる世界に我々が儚くも存在するただひとつの理由なので!




【書籍紹介】
とは言え、、、、ニーズに答える(機能を果たす)のが「まといのば」なので、、、

抽象度を上げるために読んでおきたい書籍を紹介します!



ちなみに、抽象度というとピラミッド構造をイメージする人は少なくないのでしょうか?
たしかに情報量が下がり、包摂する範囲は広くなるので、理論的にはピラミッド構造に似ています。

しかし体感としては、抽象度が上がり、高い抽象度にアクセスできると、世界が広がります。
家にこもってそこが世界だと思っていたのが、玄関から外に出て、本当の世界の広さに気付くようなイメージです(その次のステップは空を見上げ、星を眺めて、宇宙の絶望的な広さに思いを馳せることです)。

世界が広がるのです。
でも、どうやったら世界は広がるのでしょう。
質問を変えれば、どうやったら世界の広さは認識できるのでしょう。
目の前にあっても見えないのが、スコトーマ(心理的盲点)です。

この回答はシンプルです。

圧倒的な抽象度での知識を蓄えることです。

というわけで、まずは「サピエンス全史」。
人類の歴史をある程度の広さで捉えなおしましょう。

先日の記事「科学革命はこれまで、知識の革命ではなかった。何よりも無知の革命だった(ユヴァル・ノア・ハラリ)2017-12-30」で泣く泣くカットした書籍紹介も含みます!

ちなみに「「科学革命はこれまで、知識の革命ではなかった。何よりも無知の革命だった(ユヴァル・ノア・ハラリ)」というブログ記事のタイトルの引用はこちらからです。


上下巻ですが、キンドルで読むなら合本版がオススメです。
かなりアクが強いのですが、高い抽象度で世界を観るとは、市井(しせい)の人間から離れていくということです。

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福/河出書房新社

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サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福/河出書房新社

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サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福/河出書房新社

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似た感じの本で言えば、「繁栄」や「銃・鉄・病原菌」などがありますね。
巨大なゲシュタルトが作りやすいのです。
抽象度を上げやすいです。

ちなみに「繁栄」を紹介したのは、ずいぶん前でしたね。昔は良かったと言うけれど・・・
2010-11-13


繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史(上)/早川書房

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繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史(下)/早川書房

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繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)/早川書房

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文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)/草思社

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文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)/草思社

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銃・病原菌・鉄 上下巻セット/草思社

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銃・病原菌・鉄 1万3000年にわたる人類史の謎 文庫 (上)(下)巻セット/作者不明

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面白かったらこちらも。

文明崩壊 上: 滅亡と存続の命運を分けるもの (草思社文庫)/草思社

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文明崩壊 下: 滅亡と存続の命運を分けるもの (草思社文庫)/草思社

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「サピエンス全史」や「銃・病原菌・鉄」である程度の視野が手に入ったら、もっと仔細に地政学のスケールで歴史を俯瞰したければ、マッキンダーやマハンですね。

地政学は日本ではほとんど取り上げられることが無いのですが、戦前の日本では普通の教養でした。平成も終わることですし、戦争前夜ですし、地政学ブームを歓迎しましょう。
地政学はまずは古典地政学をしっかりと(寺子屋「地政学」もあります!)

マッキンダーの地政学ーデモクラシーの理想と現実/原書房

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マハン海上権力史論 (新装版)/原書房

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我々ホモ・サピエンスの歴史を見て、もっと視野を広げたい!
第三惑星のこちゃこちゃした鍔迫り合いではなく(サルの一亜種による大量絶滅ですが)、宇宙規模で考えたい場合はこちら。

宇宙創生です!

宇宙物理学を一望するにはサイモン・シンが面白いです。

啓蒙主義的な発想と異なり、実際の探求の現場というのは泥臭いものです。

蒙(もう)が啓(ひら)けるといいますが、「ユーレカ!!」なのは最初の一瞬だけ、そのあとに次々と致命的な無知に気付かされます。

学校の授業でやったような「我々は歴史をくだるごとに賢くなりました」という無邪気な思想は間違いなのです(進化についても同じです)

知れば知るほど、どんどん致命的な無知が目の前に現れることに気付きます。

科学のその現場の、同じ瞬間に居合わせたかのような臨場感で読むと良いと思います。

歴史はしばしば勝者の歴史と言われますが、このサイモン・シンの手法はタイムスリップして、その場にいたかのような、未来が見えない現在にいるかのような感覚を覚えさせてくれます。

サイモン・シンは他の著作もオススメです。

宇宙創成〈上〉 (新潮文庫)/新潮社

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宇宙創成〈下〉 (新潮文庫)/新潮社

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サピエンス全史や繁栄と同じく、大きなゲシュタルトを得させてくれるのは、何度も紹介しているユーザーイリュージョン。
巨大なゲシュタルトが、高い抽象度の土台となります。

ユーザーイリュージョン―意識という幻想/紀伊國屋書店

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そして何を語るにでも欠かせない進化論については、もはや古典とも言える「利己的な遺伝子」。
(ちなみにこのタイトルも編集者がつけたそうです。タイトルは大事!)

進化という視点はきわめて重要です。
複雑性やネットワーク理論とからめてどこかで寺子屋をやりたいですね。

利己的な遺伝子 <増補新装版>/紀伊國屋書店

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そして万物の背景にあるのが「数学」。
数学については、こちら。

神は数学者か?: 万能な数学について/早川書房

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文庫が出たとは知りませんでした!

神は数学者か?―ー数学の不可思議な歴史 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫〈数理を愉しむ〉シリーズ)/早川書房

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そして物理学を学びたい人。もしくは、超情報場について物理学的に知りたいという方はこちら。

宇宙をプログラムする宇宙―いかにして「計算する宇宙」は複雑な世界を創ったか?/早川書房

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おっと、10冊の予定が11冊ですが、、、まあ良いでしょう。

知識がなければ、抽象度も上がりようがありません。
まずは知識を楽しんで身につけましょう!
(ちなみに楽しまない限りは知識にせよ、何にせよ身につきません。悪銭も同じ)
(「楽しくなければ読書じゃない!」のです。楽しむポイントは飽きたら他の本にうつること、読んでて眠くなったら寝ることです)



とは言え、抽象度を上げる前に、どんな風に社会に役に立ちたいのか、どんな風に誰に自分は喜ばれたいのかを探しましょう!!


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