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Channel: 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ
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寺子屋「ワトソン、クリック二重らせんの秘密」の板書写真も配信開始!

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寺子屋は無事、音声教材がすべて編集と配信が終わり、ほっとする間もなく板書の書き直しを開始しています(お待たせしておりますm(_ _)m)。

寺子屋の板書写真はセミナーの板書を参考にしているもののほとんど新しく書きおろしていますので、復習には最適かと思います。

「はじめての光学」に続いて、「ワトソン、クリックの二重らせんの秘密」の板書写真も寺子屋受講生専用サイトにて公開しています。ぜひ、復習してみてください。

「まといのば」の寺子屋では一つ一つの学習内容をその一つの講座で完結するようにデザインしつつ、より大きなゲシュタルトが組めるようにデザインしています。

たとえば今回の生命科学のDNAについて言えば、以前の「分子生物学」とつながるばかりか、深く理解するならば「情報理論」や「コンピュータサイエンス」や「論理学」などともつながりがることが見えてくると思います。

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自然淘汰はランダムなコンピュータプログラムのなセレクションと考えない限りは、ホイルのように(ビッグバンの命名者。その命名が揶揄からであっても)「がらくた置き場の上を竜巻が通過し、その中の物質からボーイング747が組み立てられる」というインテリジェントデザインの方が繰り返し言う議論を持ちだされます。ホイルは「単機能のたんぱく質が、アミノ酸が偶然組み合わさって生成される見込みは、太陽系全体に埋め尽くされた盲目の人間が同時にルービックキューブを解くくらいあり得ないとも述べている」と述べているようですが、進化論者もそんなことは考えていません。漸近的な進化というものを考えられないのでしょう。
「首も座らない赤ん坊がすぐに立って歩き出せるとは考えられない」というのと似た言説です(「すぐ」が指すものが5分であれば同意ですが、5年であれば同意しかねます)。何にせよ環境とフィードバックを取りながら漸近的に成長していくものです(成長するものは)。
アミノ酸は実験的に原始の海を擬似的に作るとできることは分かっています。その意味でアミノ酸はありふれており、そこに単なる自己複製子があればいいというのがドーキンスの主張です。ちなみにアミノ酸について言えば、かつてはアミノ酸があれば生命があると考えて良かったのですが、現在では「たとえアミノ酸の存在が示されたとしても、空気中に単純な気体がいくつかあることと、火山か日光か雷があることがわかるだけである」(p.21 利己的な遺伝子)。火星にアミノ酸が発見されても、それは生命の存在を示さないということです。

現在の遺伝子に連なる原始の海の自己複製子とは単な鋳型のようなものでも良いのです。その鋳型が高じて自己複製子として原始の海を泳ぎ、自らの周りをリン脂質で覆うようになり、外界とはリモートでしか接しなくなり、DNAという硬い倉庫をつくりと進化してきたようなイメージです。
ガレージでスタートしたベンチャーが大企業になるのと同じで、不断の改良と淘汰圧によって生き残るものは生き残り、死に絶えるものは死に絶えます。

受精卵の体細胞分裂は2の累乗のオーダーで行われます。bitが顔を出します。
減数分裂しなければ、受精卵は親の世代の2倍の染色体を受け継いでしまいます。
コドンが3文字なのは、1文字ではA,T,C,Gの4つしかアミノ酸を指名できず、2文字では4×4=16個しかアミノ酸を呼び出せないからです。3文字でようやく20種類のアミノ酸を一つ一つ呼び出せます。もちろん20に対して64は多すぎです。だからこそ複数のコードで同じアミノ酸を呼ぶこともあります。犬と呼んでも、Dogと呼んでも、同じ四足のワンと鳴く哺乳類が呼び出されるのと同じです。

遺伝に漠然とした神秘を科学者たちもまだ見ていた時代に、遺伝もまた物理現象であり、古典物理学ではなく量子論で説明可能であろうと大胆に予測したのはシュレディンガーでした。遺伝学とかをひと通り学んで、量子論もさらった後に「生命とは何か」をザラッと読むと非常に面白いです(このブログを書くにあたり、気の利いた引用をしようと思って読みなおしたのですが、すべて紹介したい衝動にかられるほど面白いです)。ダーウィン、メンデルなどで遺伝を語り、体細胞分裂や減数分裂、染色体などを語りながら、その遺伝子を推測し、最後にはウパニシャッド哲学の梵我一如をエピローグで紹介しています。


まあ、そんなわけで(どんなわけだ?)、明日はクリプキ様です。
高校生(18歳)のときにアメリカ数学会で口頭発表した様相論理学の完全性に関する証明で華々しくデビューし、その後も天才の名を欲しいままにするクリプキ様にせまりましょう!
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寺子屋のお申込みはこちらから(クリプキ)。なぜかクリプキ様は人気です。まだお申込みは間に合います!

12月はギリシャ神話とブラックホールです。こちらも難解なせいか人気です。

寺子屋の復習もがんばってください。
音声教材を聴きながら何度も寝てしまっても構いませんので、諦めずに繰り返してください。


【書籍紹介】

利己的な遺伝子 <増補新装版>/紀伊國屋書店

¥2,940
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虹の解体―いかにして科学は驚異への扉を開いたか/早川書房

¥2,520
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キーツの詩(憂鬱の解剖学)の一節を逆説的に取り上げた表題です。
端的に言えば、ニュートンはプリズムから分光を発見し、そして虹のカラクリを明かした。すなわち虹というのは雨粒の屈折による分光現象でしかない、と。そのような科学者の態度が自然から神秘をひきはがしたというキーツの批判の詩に対する反論。もちろん光学についてではなく、進化論についてのドーキンスおなじみの議論の書です。
「はじめての光学」ではこのキーツの詩を紹介しつつ、「キーツは分かっていない」と冗談めかして批判しました。「虹を解体したのではなく、七色の虹に解体したのだと。虹はもう分光(解体)できない(光学的に)」と(ただのジョークですので、あまり本気で取り合わないでください)。

生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波文庫)/岩波書店

¥630
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本編でも書きましたが、分子遺伝学や量子論をかじって、シュレディンガー方程式を学んだあとにこの書に出会うと(読むと)深い感慨がせまると思います。

ちなみにさらっと訳者があとがきで福岡伸一氏の著書をDisっているのが(p.214)良かったです。「私はたまたま最近(二〇〇七年)出版された通俗科学書のベストセラーものの一つに、この混同と過誤の誠に見事な標本を見つけた」(p.214)
チラッとセミナーでも言いますが、僕自身も(かつては紹介していましたが、最近の著書を読むにつけ)批判的です。批判的でも楽しく読みますけど(^^)。ちなみに上記の虹の解体の翻訳は福岡先生です。
カラー図解 アメリカ版 大学生物学の教科書 第2巻 分子遺伝学 (ブルーバックス)/講談社

¥1,575
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このシリーズには寺子屋でお世話になっています。非常に重宝します。

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