ソクラテスやプラトンほど古くはないですが、古い古い歌にこんなのがありました。
♬噂を信じちゃいけないよ♬
山本リンダさんですね〜♬
自分の目を過信するのもよくありませんが、噂を信じるのもいけません。
何の話かと言えば、たとえばニュートンくんの話です。
近代科学の父であり、科学合理主義の権化であるというような噂があります。
ニュートンの生年に没したガリレオ・ガリレイは教会と対立し(教皇の先生であったにも関わらず)異端審問を受け「それでも地球は回っている」と言ったという逸話すらあります。
修道士であったブルーノはコペルニクスを擁護して火あぶりになりました。
ニュートンはそれらの偉大な戦士に並び、かつ近代科学の産みの親として偉大な地位を築いているかのようです。
しかし、、、、
たとえば
太陽、惑星、彗星の壮麗きわまりない体系は、至知至能の存在の深慮と支配とによって生ぜられたのでなければほかにありえようがありません。
*そういえば最近惑星直列も起こりましたね〜。
と彼は語っています。
惑星の運行が神によってなされたと考えているのです!誰あろうことにニュートンくんが!!
*まさにびっくりです!
もちろん神をメタファーとして考えるアインシュタインのような態度とは真逆です。
なぜ重力理論を創り上げ、神の居場所を無くしたニュートンがそんなことを考えるのでしょう、、、。
かれはプリンキピアの中でこう語っています。
神の存在は証明するまでもなく、宇宙に記述されているのだということです。
(引用開始)6個の主惑星は、太陽を中心とする同心円上を回転し、同一の運動方向をもち、ほぼ同一の平面上にあります。(略)これらすべての規則正しい運動を生ずることは、力学的要因だけからでは得られようもありません。(略)この、太陽、惑星、彗星の壮麗きわまりない体系は、至知至能の存在の深慮と支配とによって生ぜられたのでなければほかにありえようがありません。(引用終了)
たしかに太陽系の主惑星はほぼ同心円状で回転し、方向も同じです。そしてほぼ同一平面上です。
もっとバラバラでも良さそうなにのなぜか非常に美しい秩序立っています。
これは純粋に重力理論だけでは説明できないので、神の「深慮と支配」によって生ぜられたとニュートンは考えます。
(もちろん、いまの我々の視点で言えば、太陽系というのは巨大な土星の輪のようなもので、同一平面上で同心円状で同じ方向に回転するのは当然と言えば当然です)
ニュートンの気持ちは分からないではないですが、、、ちょっと短絡的な嫌いもあります。
そしてそれに続けてニュートンはこう言います。
(引用開始)この至高の存在はありとある事物を統治するのです。(略)盲人が色彩の観念をもたないように、わたくしどもは、全知の神がいっさいを知覚し認識する仕方について、なんの観念ももっていないのです。(引用終了)
ちなみに余談ながら、プリンキピアのような物理学の教科書が神について語るのは不謹慎というか、お門違いな気がしますが、、、、ニュートンはそれにもきちんと反論しています。
(引用開始)以上、神に関して述べたのですが、事物の現象するところより神に及ぶのは、まさしく自然哲学に属することなのです。(引用終了)
すなわち、神について語るのは自然哲学としては当然のことである言います(プリンキピアの現代は「自然哲学の数学的諸原理」でした)。まあ、天才だけあって鋤のない議論です。
話を戻して、「盲人が色彩の観念をもたないように、わたくしどもは、全知の神がいっさいを知覚し認識する仕方について、なんの観念ももっていない」とは、釈迦の梵天勧請を思わせます。
寺子屋「仏教」のレジュメから紹介します!
自分の悟ったところを、人々に話して聞かせることはむだである。自分の 悟った法は、あまりにも深く、あまりにも微妙であって、愛欲に盲いた人々のよく理解するところではない。説法することは、むだな努力であり、いや、聖なる法を、それにふさわしくない方法で取り扱うことにもなる。このまま沈黙をまもり、ただちに涅槃にはいるに如くはない(仏伝)
盲人が色彩の観念をもたないように、愛欲に盲いた人々のよく理解するところではないのです。
「聖なる法を、それにふさわしくない方法で取り扱う」とはイエスの「豚に真珠」を思わせます。
釈迦は法を解くことが原理的に不可能であると見抜き、自分は悟ったのでゴール達成ということで涅槃に入ろうとします。
それを「まあまあ」と引き止めるのが梵天様です。
なぜここで梵天様?とは思わないではないのですが、梵天の願いを聞き入れて、釈迦は不可能なはずの説法を始めます。これが初転法輪です。
ニュートンもまた自身が重力理論を見出したあと、それを公表するのは「聖なる法を、それにふさわしくない方法で取り扱う」と考えたのか、引き出しの奥にしまいます。
発表しようと思わないのです。ハーレーの勧めがにほだされて、プリンキピアは公刊されます。
ハーレーが梵天ということですね。
*ハーレーのお金で日の目を見た知の偉業!
噂を信じないで、きちんと向き合うならば、全く違う様相が見えてくるのです。
ニュートンと釈迦と龍樹が手と手を取り合って笑っているように見えます(ちょっと気味が悪いですがw)。
それが我々の心の中にあるアテナイの学堂の様相です。
*僕らの豪華な青空教室!同級生は天才たちばかりで!!
アテナイの学堂という青空教室の生徒として僕らはいて、同級生には知の巨人たちがごろごろいます。そのイメージを心に抱きたいのです。
その青空教室には、ソクラテスがいて、プラトン、アリストテレスがいて、ユークリッドがいて、ゾロアスターまでいます。そこにはニュートンやカント、ヘーゲルも転校してきます。
僕らは巷(ちまた)の噂を信じないで、彼らと直接語り合うことで、彼らの実像を少しずつ理解していきたいものです。
噂を信じるよりも、はるかにはるかに楽しい世界がその先に広がっています!!
p.s. というわけで、来週のアインシュタインに先駆けてニュートン力学を配信しました。
まだ3回から7回は配信していません!申し訳ありません!
というわけで、アインシュタインを継ぐ者である天才アインシュタイン登場です!
まずは特殊相対性理論!!
逸話や神話ではなく、手触りをもって特殊相対性理論を理解しましょう!!
その相対性理論の相対性を最初に言ったのは誰あろうガリレオ・ガリレイです。
【リニューアル寺子屋第9弾『アインシュタインの特殊相対性理論』】
【日時】 9月26日(火) 19:00~21:00(21:30まで質疑応答!)
【場所】 東京・四ツ谷の「まといのば」のセミナールーム
【受講料】 3万円(銀行振込、もしくはPayPal決済)
【受講資格】 ブログ読者
【持ち物】 筆記用具と熱い情熱
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