今週末は「気功師養成スクール 気功基本12セット」の開催です。
半年に一度の大盤振る舞いスクールですので、是非お楽しみに!
詳細はこちら
来週月曜日は、Prison Break講座の追加開催、Dotsでの身体の高度化、お楽しみに!!!
詳細はこちら!
あー、そして22日はオンラインレコードの公開収録です!アリアドネのカラダというテーマで、身体に関して一気にまとめます!!
詳細はこちら!
9月までのセミナースケジュールを一望したい方はこちら!
どれもお楽しみに!!!
グランパドゥシャで足がインに入っていると言われます、、、、、、
とご質問をいただきました。
うーーーーーーーーーーーん
かなりテクニカルな質問ですね。
ただ、最近の傾向として、テクニカルな質問のほうがニーズが多いようです。そんなわけで、久しぶりにバレエ系のテクニカルなネタが続いています。
というか、バレリーナ専門気功整体を標榜する以上は、バレエのテクニカルなネタは必要かもですね。
熱力学よりも、ザンレールの方がウケるとは意外でした。
熱力学は万人に不可欠な知識ですが、ザンレールはわずかな人にしか必要のない知識です。
でもまあ、「まといのば」はポピュリズムをもって旨としますので、ウケるものをどんどんやります!( ー`дー´)キリッ(いや、ポピュリズムなどと露悪的ならず、プラグマティックというべきかもです)。
というわけで、ビッグジャンプで足がインになっているという話です。
相談するだけではなく、LINEで動画も送ってくれました。
助かります。
LINEでの質問など、天井ならぬ屋上から目薬ですので。
でも、本当に便利な世の中になったと思うのは、マッチ箱のようなポケットに入るような小さな道具で、写真も動画も撮れて、それを転送することもできるからです(通話までできますw)。
そんなわけで、その方のリハーサル動画を送っていただき、実際のグランパドゥシャのシーンを見せてもらいました。
たしかにパラレルというか、インに入っていました。
でもこれは脚をいじってもあまり意味がありません。
カラクリはシンプルです。
というか解決法はシンプルです。
ただ実践は少しだけ複雑です。
まずはシムキンのグランジュテを見てみましょう。
(グランパドゥシャもグランジュテもカラクリとしては同じですので、一絡げにして説明します)
*PCだと見れないことがあるみたいです。申し訳ないのですが、スマホで閲覧を。
ポイントは、腰をずらすということです。
飛んでいる方向に対して、骨盤がほぼ90度開くのがポイントです。
(もちろん極端な表現です。90度だとアウトですが、わかりやすさのためです。斜めという感じです)
骨盤は正面お客様の方を向けて、顔や胸は横の袖の方を向けます。
ざっくり言えば腰は正面、胸は横ということです。
腰は正面で胸は横???
とは言え、進行方向は横なので、奇妙な感じです。
解剖学的には、腰椎を捻ることで、この矛盾して見える身体の状態を実現します。
冷静に思い出してみましょう。
骨盤というか、骨盤を構成している腸骨の2つは下肢に分類されます。
ざっくり言えば、骨盤(腸骨)は脚です(厳密には脚は大腿骨からなのでしょうが、、とりあえず)。
ですから、腸骨をコントロールすることが脚をコントロールすることにつながります。
Y字バランスやアラベスク、ドゥバンへのデベロッペなどはすべて骨盤の操作となります。
決して股関節ではなく、骨盤をずらして使うことで、脚をたかだかと上げることが可能になります。

お馴染みのこの写真もいわゆるベルトのラインが水平ではなく、ほぼ垂直になっているのが見て取れると思います(実際には垂直というか、斜めですね)。
これが秘訣です。
Y字のときは、骨盤は横向きに上がります。水平の骨盤が垂直に2つ並ぶイメージです。
同じようにアラベスクのときは、骨盤は前傾し、ドゥバンのときは後傾します。
脚が行く方に、腸骨も移動するということです。横のときは横に、前のときは前に、後ろのときは後ろにです。シンプルです。
骨盤が脚としてきちんと参加するということです。
これを股関節の柔軟性でやろうとすれば、身体が壊れます。
このカラクリをスタティックに(止まった状態で)理解できれば、グランパドゥシャまであとわずかです。
空中姿勢において、骨盤が前後に分かれるイメージなのです。
ですから、骨盤は向きとしては、進行方向と垂直に、お客様の方を向くのです。
これは解剖学的なカラクリです。
じゃあ、踊る際にはどうすれば良いのか?
余談ながら、ここでDots講座でも話題に出たアントルシャシスを御覧くださいw
3回入れ替えます。
このときに意識したいのが、尾骨です(厳密には大腸兪だと思いますし、実際にそう指導していきますが、とりあえずDots講座では尾骨で)。
基本的には背中で打つというイメージです。特にバッチュ系(打つパ)は、入れ替えるというよりは、打つことでその反動で入れ替わるというイメージを持ちます。
たとえば、ブリゼなどがそうですが、ブリゼは前脚に対して、後ろ脚が後ろから前脚を叩くだけです。そのあとに入れ替えるのは勝手に起こります。ここで、自分で脚を入れ替えようとするからおかしなことになるので、ただバッチュする(ただ打つ)ことだけに集中すると驚くほど綺麗にバッチュできます。
バレエは最初から最後まで、足の爪先から頭頂部まで全部の部位と全部の動きに責任を持つものですが、バッチュに関しては、打つところまでが自己責任、あとは身体に任せます。
シスも打つことで反動で入れ替わってしまう感覚を持てば、打てるようになります。
ですので、シャンジュマンはあくまでも軽く跳ね(セミナーでやったように、つま先はほとんど床から離れなくて良いと僕は思います)、カトルから軽く叩くようにします。叩いたら降りてくるだけです。そうすると勝手に脚は交差しています。
トランポリンに乗っているような感覚で、ポンポン跳ねましょう。
話をグランパドゥシャに戻します。
Dots講座でも少し話題に出ましたが、実は身体上に無いDotsというのがあります。
(Dotsというのは、身体上の「点」でそれを意識することで、身体の操作レベルが上がるものです。「まといのば」の造語です)
それが、指先とつま先です。それぞれ指の先と趾(あしゆび)の先にあります。
ちょっと手を出してみてくださいw
指をよく見て、その指の先の空間を意識してみましょう。
指先(ゆびさき)というくらいで、指の先です。その空間にDotsを置きます。点というよりは、気の玉のようなものです。
そのDotsを「指先(ゆびさき)」と仮に呼びます。
その指先の空間(Dots)が先に動き出して、手がそれに引かれるというイメージです。
この元ネタは、、、、宮本武蔵です。
五輪書の中に、孫に手を引かれるが如しという一節があったかと思うのですが、武蔵が身体の動かし方として「孫に手を引かれて引っ張られて動く」という動き方を薦めています。
これはなんというか主体性に欠ける動き方です。
もそもそとしたおじいちゃんが思い浮かびますが、これがまた良いのです。

*宮本武蔵自画像
手の動きもそうですが、脚の動きも同じ方法論を採用します。
脚のつま先の空間です。
趾(あしゆび)の爪を見て、その先の空間を意識します。
そこにあるDotsが先に動き出して、そして脚がそれに引っ張れて動くというイメージです。
Dotsセミナーでは、これでロンドゥジャンアテールをやってもらいましたが、アンレールともどもう美しくできます。
脚で円を描かないで、脚が勝手に引っ張れて動いてしまうイメージです。
この脚が引っ張られる感覚を強く持ち、そのときに引っ張られる反対側をたとえば上前腸骨棘にします。骨盤ですね。
そうすると、脚が引っ張られて、骨盤まで引っ張られます。
この感触でグランパドゥシャをするのです!!!
トンベパドブレから、グリッサードして、グランパドゥシャをする瞬間に脚が勝手に引っ張られてしまい、それに軸足の骨盤(腸骨)が引っ張れて、それに引かれて体幹が引き上げられ、後ろ脚はついてくるというイメージです(厳密には、後ろ脚がジャンプの仕上げをしますが、それはまた別の話。ただ地面を蹴るときも、前脚の慣性力があるか否かで大きくパフォーマンスが変わります)。
蛇足でしょうが、グリッサードは地をはうように飛びましょう。グリッサードで高く飛びすぎると、ビッグジャンプが低く見えます。
グリッサードはあくまでも助走です。地をはうように!!
あーーーそれから蛇足ついでですが、イメージとして、トンベは落ちるパです。落ちると反動で上がってきます。その反動をパドブレで横方向への移動のエネルギーに変えます。そしてそのままグリッサードでも横方向への大きな移動を意識します。
と、ここまではどんどん横方向に移動します。
そして最後のグランパドゥシャの瞬間は上へ行きます。決して横に移動しようとしないことです。
それまでの慣性力があるので、上へ飛んでも放物線を描きます。
それまでの横方向のベクトルがあるので、グランパドゥシャの瞬間に縦方向のベクトルを足しても、2つ合わせて放物線になるのです。
これがグランパドゥシャでも横方向に行こうとすると、ふくらまなかったパンのような悲しいことになります。最後は上へ行きましょう。
というわけで、つま先を遠くへ伸ばすイメージを強く持ち、つま先によって脚も骨盤も身体も引っ張られると思うことで、骨盤は当然にズレて、脚は外旋(アンディオール)しやすくなります!!
是非、試してみてください!!!