バランスボールのあの弾む感覚をしっかり感じて、その感覚を身体に感じることができると、身体の使い方のレベルは上がります。
押すと強く反発するあの感覚です。
あのバランスボールが身体の中にあるイメージです。
たとえば、元気な子供が飛び回っている姿はさながら飛び回る鞠(まり)のようです。
筋肉を使って動くというよりは、弾んでいるようです。
我々も弾みましょう!
バレエのアレグロやプチソテなども基本は弾むパです。
グランワルツもトンベという落下から始まって、転げて弾みながら、ビッグジャンプにつなげます。
屈曲とか、伸展だけで身体を考えてしまうと、どうしても身体の捉え方が二次元的になります。
でも筋肉は螺旋状についていますし、伸張性収縮をもっと積極的に使うことで、身体操作は劇的に変わります。
たとえばこのバランスボールの感覚をつかむには、呼吸が便利です。
最初は胸式呼吸で胸をふくらませることで、肋間筋の伸張性収縮をうながし、吐くときに肋間筋を収縮させます。
パスカルの原理みたいなイメージです。
息を吸う時は、肺に空気が入って内圧が上がり、胸は膨らもうとしますが、肋間筋は収縮しようと抵抗します。でも伸ばされてしまいます。息を吐くときに、伸ばされた肋間筋は伸ばされたゴムが縮むように、締まっていきます。
同じことを腹式呼吸でもやりましょう。
息を吸ってお腹をふくらまします。
そのときに腹横筋や腹斜筋群が強く抵抗しますが、それを突破して膨らませます(あまり強く抵抗しすぎないように(*^^*))。
そして吐くフェイズになったら、肋骨下部を起点にお腹を締めていきます。
さっき引き伸ばされたエネルギーを反転させるようにして、締めます。
重要なポイントは伸張性収縮です。ネガティブですね。
ダンベルを挙げているとき(ポジティブで)は二頭筋を収縮させていますが、実際は下げている局面(ネガティブ)がとても大事です。
このときに二頭筋は収縮しているのですが、引き伸ばされていきます。この感覚です。
筋トレでは、この伸張性収縮で筋繊維が破壊されるから超回復を促せると考えますが、身体運動においては、この伸張性収縮でエネルギーを貯めると考えます。
ゴムが引き伸ばされるイメージです。
弾性エネルギーがたまり、縮もうとします。
このエネルギーを感じるための良い訓練が歩行です。
歩いているときに、後ろ足をぎりぎりまで床から離さないようにしてみてください。
後ろ足をべったりとつけたまま、ぎりぎりまで残すようにすると、腸腰筋が引き伸ばされます。
腸腰筋は縮みたいのに、歩行の慣性で伸ばされます。
それが限界に至ると、足裏が床から離れて、腸腰筋が勢いよく縮みます。それが結果的に推進力になります。
伸ばされたゴムを縮めるのと、意識的に収縮するのではコストが全然違うのです。
プリエもまたこの引き伸ばされたエネルギーを貯める作業です。伸ばされた筋肉が縮むことで爆発的な力を生みます。
しかし、たとえば歩法においても、途中で足裏をちょっとでも床から離してしまうと、その緊張は消えてしまいます。腸腰筋はゆるんでしまうのです。
エネルギーは散逸します。
すべての動きにおいてエネルギーを貯めて、循環させるようにすることです。
そのときにバランスボールの感覚が生きてきます。
外力をすべてエネルギーに変えるのです。
バレエでもプリエも、クペも、トンベも、すべての動きが意味があり、エネルギーを合理的に貯め、それを発散し、その動きによって、またエネルギーを貯めるという循環があります。
筋肉をつなげて動くための極意がそこにあります。
明日の「はじめての気功」講座のDotsや、ヨガスクールなどではそこにも踏み込んでいきます!!
是非、お楽しみに!!
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バランスボールの感触を自らの身体観とすると、もしかしたらザンレール(空中二回転)も回れるかも
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