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Channel: 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ
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ピエタで心だけではなく、筋肉を癒やす?!サル山の猿はSSRIでアルファになる??

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ピエタという不思議な気功技術があります。

ミケランジェロの傑作であるピエタが名称の由来です。


イエスは家を出て以来、母マリアに会うことは生涯ありませんでした。


母マリアは風の歌を聴きつけては、息子イエスのもとを訪問しますが、最接近したときですら、このように冷たく言い放ちます。

(引用開始)
イエスは母に言われた、「婦人よ、あなたは、わたしと、なんの係わりがありますか。わたしの時は、まだきていません」。マタイ2:4)(引用終了)

群衆から、ご家族があそこでお待ちですよ〜と言われたときも、冷たくこう言います。

すると、イエスは彼らに答えて言われた、「わたしの母、わたしの兄弟とは、だれのことか」。マルコ3:33


そんなイエスをひたすらに愛し、追いかけ続けた母マリアがその胸に我が子を抱くのは、磔刑の後でした。悲劇です。(ちなみに復活したあとですら、イエスはマリアに会いに行きません。会いに行ったのはマリア違いの恋人のマグダラのマリアです。どこまでもひどい男ですw)。





愛する我が子を先に失い、もはや膝を突き合わせて語り合うことも叶わぬなかでの、マリアの官能的な微笑みが印象的です。

まさに慈悲、慈愛の象徴かと思います。


このときのマリアは当然ながら深い深い絶望の中にいます。
生きた我が子と出会うことはもう二度とありません。


この絶望こそが慈悲の源泉かと思います。



これがピエタ(Pieta:慈悲)という技術のカラクリです。

なぜ深い絶望が慈悲の源泉かと言えば、単純に言えば、自分の小さな世界の絶望がより深い世界に存在する絶望によって上書きされるからです。


たとえばお釈迦様のこんな話がありました。

若い母親(キサーゴータミー)が息子を亡くしたときの話です。
どうしても息子の死を認められない母親は、お釈迦様のもとへ行き復活の呪文ならぬ復活のクスリの処方を聴きに来ます。

それに対してお釈迦様は「それは簡単」(と言ったかどうかは別として)、辛子種を持ってくるように言います。マスタードシードですね。ただの香辛料です。

どこにでもあるありふれたものです。

(どれだけありふれているかと言えば、イエスですら辛子種に言及するほどですw
天国は、一粒のからし種のようなものであるマタイ13:31))



*辛子というと、僕は辛子蓮根を思い出します。子供心にこれは冗談なのかと思った記憶があります。ただでさえ辛い辛子をたっぷりとレンコンの穴に詰めるというのは正気の沙汰ではないと感じましたw
いや、大人になってからだと美味しいのですが。


その母親は喜んで、辛子だねを取りに行こうとしますが、そこで釈迦はひとつ注文をつけます。

ただし、死者をひとりも出していない家からもらってくるように、と。

その先の顛末は皆さんがご承知のとおりです。
死者を出していない家など存在せず、誰もが愛する人を失う経験をしています。

ゴータミーは一軒一軒訪ねて歩きながら、そのことを痛感し、釈迦が見せたかった全体像(ゲシュタルト)を理解します。

明るく楽しい日常の裏側にある絶望と哀しみに気づくのです。



マリアが何を想い笑みを浮かべたのか分かりませんが(正確にはミケランジェロがどう考えたか分かりませんが)、哀しみの風景、慈悲の心というのはそのようなものかと思います。



*ミケランジェロとして本当に創りたかったのは未完で終わったロンダニーニのピエタの方かと思います。
*バチカンのサン・ピエトロ寺院のピエタは、マリアが若すぎますし、そしてマリアが巨大すぎます。これはある意味で写実的というよりは象徴的な作品で、マリアが幼子であったイエスを抱いていたころを重ね合わせている作品です。だから、マリアが若く、そしてイエスが小さい(マリアが相対的に大きすぎる)のです。
*そしてミケランジェロが唯一エゴをむき出しにしてしまった作品であり、マリアの胸の襷(たすき)?に署名を掘ってしまっています。署名した唯一の作品ですし、これを後に後悔します。



気功技術としてピエタは、シンプルなカラクリです。
絶望の谷底へ魂だけを落とすようなイメージです。

そうすると喜びや哀しみや、いま抱いている絶望が相対化され、そして相対化されることで重要性を失うというカラクリです。

ですから、驚くほど情動が消えます。
怒りも喜びも、楽しみも消えていきます。




昨日開催されたマインドイリュージョン1Dayスクールでは、マインドがいかにイリュージョン(幻想)でしかなく、いかにはかなくうつろいやすいものかを知るためのスクールでした。


ピエタのワークもコンテンツの中にあったのですが、受講生はピエタに習熟していたので、少し変わったワークを行いました。


それが筋肉にピエタをかけるというものです。


通常のマッサージや気功ではなかなか改善が難しい部位に限って、ピエタは著効を示します。
面白いものです。

しかし考えてみれば、筋肉もひとつひとつは細胞であり、生命です。
ピエタが人の心に対して働きかけるのであれば、同じ生命である細胞に対して働きかけてもおかしくないはずです。

心というものが、我々が考えているように脳が必要であり、言語が必要であるという軛(くびき)から解放されるならば、もっと可能性は広がるように思います!!

そんなマインドイリュージョン1Dayスクールでした!!(追加日程も決定しています!!)


【動画紹介】

昨日のスクールで久々にシェアしたのが、こちらの動画です。以前、鬱講座で紹介しました
WHO(世界保健機構)が鬱(うつ)について描いた作品です。


セロトニンという神経伝達物質が脳内に少なくなると鬱という病状を起こすことが分かっています。SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)はセロトニンを再取り込みすることを阻害することで、セロトニンの量を確保して、鬱を治します。


GFDL, Link

日本人はセロトニントランスポーター遺伝子の型がSS型が3割と言われ、そもそもセロトニンが少ない人が多い(すなわち鬱になりやすい人が多い)ことが分かっています。
逆にアメリカ人の多くはLL型で、セロトニンが多い人が多くいるのです。

ちなみに動物行動学の実験で面白いのは、サル山の猿にランダムにSSRIを処方すると、その猿がアルファ(ボス猿)になるというものでしたw
セロトニンは快楽ホルモンですし、ピースフルな気分になれるので、不安や恐怖が少なくなるのがその理由なのかもしれませんが、面白いです。

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