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Channel: 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ
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「画家とは結局なんですか?」という質問にピカソはこう答えた。それは、自分が好きな、、、、

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ピカソに絵のことを聞くとすると、、

Good Artist Copy, Great Artist Steal.
(良い画家は真似、偉大な画家は盗む)

というSteve Jobsの声が聞こえてきそうです。
ジョブズによるピカソの引用ですね、お馴染みの。


*こちらをおそらく最初にブログで紹介したのはこちらの記事です。「悲しいときにただ悲しい顔をしていても事態の改善はない」〜ジョブズもピカソも盗む〜2013-10-11」

“Good artists copy, great artists steal. And we have always been shameless about stealing great ideas.”


ただ、copyとstealの違いが分からないとこの味わいが見えてきませんが(・_・;)
いや、コピーと盗むの違いって何なんでしょうね〜。
月とスッポンくらい違いますが、そっくりにも見えるのが厄介です。

美術専門家のジル・ペローをして、「もしピカソが生きていたら、彼を雇ったことだろう」(p.229)と言わしめた贋作家(というよりはアーティスト)のギィリブ。

彼はピカソも多く書き、彼の最後の贋作もまたピカソでした。
ピカソ、ダリ、シャガール、マチス、ルノワール、、、(ちなみに彼がルノワールを描くところをこっそりと見ることができる映像があります。下で紹介します)



その彼がピカソのこんな言葉を紹介しています。
「画家とは結局なんですか?」という質問に対するピカソの返答です。

「画家とは結局なんですか?」という質問に、ピカソはこう答えた。「それは、自分が好きな他人の絵を描きながら、コレクションを続けたいと願うコレクターのことだ。私はそうやって始め、するとそれが別物になっていく」。そして彼はつけ加えた。「巨匠をうまく模倣できないから、オリジナルなものを作ることになる。(p.234)

味わい深い言葉です。

自分が好きな他人の絵を描きながら、コレクションを続けたいと願うコレクターという言葉は覚えておく価値があるように思います。そこから始めるのが最良の方法ということです。
そして、これは我々のいまいる世界の「方法論」とは全く逆向きです。「世界に一つだけの花」ではないのです。他人の模倣を続けるのが重要です。それも大好きな他人の。


ギィリブというと僕はドラマ『ホワイトカラー』の主人公ニールを思い出します。これは、以前もちらっと書きました

ホワイトカラーというのは知的職業というような意味です。ブルーカラーの対義語と言った方が分かりやすいかもしれません。カラーは襟のことです。
ホワイトカラークライムで知的犯罪。ホワイトカラークライムを専門に扱うFBIのユニットに、詐欺師であるニールが手伝うというドラマです。


*詐欺による収監と引き換えにFBIのホワイトカラークライム(知的犯罪)ユニットの情報屋として働くニール。

ちなみにこれに類することはたくさんあります。少なくともアメリカでは多いようです。

たとえば、レオナルド・ディカプリオが主演したCatch me if you canはこれまた天才詐欺師の話しですが、実話です。


*トム・ハンクスがまた良い味を出していて、楽しい映画でした。実話が基になっているとは信じられません。

でも、繰り返しますが実話です。

フランク・アバグネイルは実在の人物ですし(伝記は多少誇張されている「物語」だと本人は言いますが)、最近だとIBMのWatsonとも会話しています。

と思ったのですが、消されているみたいですね〜(以前紹介したブログはこちら)(IBM Watsonのサイトでも見当たらないので、何かクレームなどがあって消したのか、政治的な配慮なのか)



ちなみにトム・ハンクス演じるカール・ハンラティのモデルは連邦捜査官のジョー・シアですが、ホワイトカラーのニールとピーター・バーグと同じく、詐欺師と連邦捜査官のコンビは生涯の親友です。


このたぐいのことは多くあるようです。

ハッキングを仕掛けた人を雇って、セキュリティの専門家にしたり、詐欺師をFBIのコンサルタントにしたり、犯罪者を犯罪防止に使います。毒をもって毒を制す的な感じです(ちなみに、僕が敬愛する高須先生は税務調査に来た凄腕の調査員を高給でヘッドハンティングしたそうです。もちろん買収じゃありません。税金を納めた上で、雇ったのです。器のデカさと頭の切れ味が桁違いです)。


ちなみに、ニールとギィリブは共通点が多く、ギィリブも足に電子アンクレットをつけて保護観察を受けていました。ニールも足の電子アンクレットがトレードマークです。

また、ドラマ「ホワイトカラー」の中でニールが驚くほどの速さで贋作を仕上げるシーンがあるのですが、あれはさすがにフィクションだろうと思っていました。


しかし、、、

翌日までに絵を一転と要求されることもよくあった。

(略)

「急いでくれ、シャガールを一点、いますぐに」


(pp.212-213)

というギィリブの伝記を読むと、それが荒唐無稽ではないリアルな姿だということが分かります。

ちなみに、ギィリブが実際にルノワールを描いているシーンを見ることができるのはこちらです。



映画の中でルノワールの手元だけを映して、絵を描くシーンはすべてギィリブが演じています。
ギィリブの手を見るためだけに見る価値のある映画です(いや、映画も素晴らしいです)。

ルノワール最晩年の傑作「浴女たち(ニンフ)」を描くに至ったある若い美しいモデルとの出逢いを描いた作品です。


*ルノワールの晩年の傑作「浴女たち(ニンフ)」


僕はルノワールが最晩年に使っていたというパレットを間近に見る機会があって、その記憶とともに非常に興味深く見ました。


ちなみに、ギィリブはいまも贋作を作り続けています。ただ署名を自分のものに変えて(^o^)





One more thing,

ピカソのパリの画商がピカソにある進言をします。
ピカソの名前で出回っている贋作の件で裁判に訴えるようにと忠告します。

しかし、それに対してピカソは意外な返答をします。

「どうしてそんなことを? 私にはできない。どういうことになるかわかりきっている。私が予備裁判に行ったら、犯人が手錠をはめられて入ってくるだろうが、それは私の友人のひとりだろう」(pp.158-159)

美術専門家ジル・ペローがギィリブを「もしピカソが生きていたら、彼を雇ったことだろう」(p.229)という意味が分かります。きっと本当に雇ったのだと思います。

人の行く裏に道あり花の山」という言葉がありますが、実際は我々が見ている世界こそがあべこべなのではないかと思わされます。


(というわけで、次回はそれについてもう少し丁寧に解説します!、、、もし次回があればw)


*ピカソはある時期、署名を作品の上ではなく、裏側にします。しかし、これはコレクターには不人気きわまりなく、ピカソの画商は古い絵を引き取って、表にもサインをするように頼みます(pp.161-162)。
人はもう作品を楽しまず、名前を買っている」(p.161)


(OnLine ReCord第1弾から3弾もまさにこれが主題です。我々の世界の見方を根底からひっくり返したいのです。我々は生まれながらにあべこべに見させられているのです。洗脳というだけではなく、遺伝子がそうなのです。それを正しく戻したいのです)

OnLine ReCordは第3弾まで配信中!!


【書籍紹介】
今回の引用はすべてこちらからです!!面白いです。
ピカソになりきった男/キノブックス

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