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Channel: 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ
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死ぬほどつらい経験は人を強くする(ニーチェ)技術者は技術を通して文明の基礎づくりだけを考えよ

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ニーチェは「死ぬほどつらい経験は人を強くする」と言いました。
ニーチェらしいです(^o^)



ただ、死ぬほどつらい経験によって、強くなるのは、自力でやり抜くことができた場合のみです。
実際には死ぬほどつらい体験で、弱くなることもあります。多々ありますw

死ぬほどつらい体験によって、燃え尽き、無気力になり、そして弱くなる場合ももちろんあります。

たとえばランダムに電気ショックを受けた犬が(そしてどうあらがっても自分でどうしようもないことに気づいたときに)、その後どれだけ電気を流されても、無反応で無気力になるとのと同じです。


アンジェラ・リー・ダックスはもしタトゥーをいれるなら、「七転び八起き」という日本のことわざを刻みたいと言います(面白いです)

七転び八起きの精神を体現できるのであれば、死ぬほどつらい体験はその人を結果的に強くするのです。そして転んだ瞬間にまた這い上がれるという楽観的態度も重要です(楽観的になる方法は簡単です。「努力がまだまだ足りない」とマントラすればいいのです)。


人生のあらゆる成功を決める究極の能力は「Grit」であると彼女はいいます。やり抜く力です。


*Gritも青年期に獲得しているかどうかが、その後の人生をほぼ正確に予測できるといいます。その文脈で考えるとマシュマロ・テストも「やり抜く力」を見るための方法なのでしょう。


成功に最も必要なのは、IQでも才能でも、環境でもなく、最も重要なのはGritであり、この能力は筋肉と同じく鍛えることができると彼女は主張します。

やり抜く能力、粘り強さというのが重要であることは、異論はないのですが、僕が面白いと思ったのは、次の事実です。

シンプルに言えば「偉大な選手になるには、偉大なチームに入るしかない」ということです。
偉大なグループに入るしか、偉大な人間になる方法はないのです。

そのグループの文化とその構成員の間には互恵的な関係が生じ、個人では不可能に思えるような業績を達成できるのです。

Gritも意志力(Will power)と同じく、ある意味で妥当な抜け道があるのです。



偉大な集団に属しているときの感覚というのは、どういうものでしょう。
アンジェラは我々にも馴染み深いあのレンガ職人の話しによって、シンプルな説明をしてくれます。

レンガを積んでいる3人に、「今、何をしているの?」と聞くというあの話です。




一人目の職人は「見れば分かるだろう、レンガを積んでいるんだよ」。

二人目の職人は「教会をつくっているんだよ」

三人目の職人は「素晴らしい歴史に残る街を創っているんだ」

と答えます。
(アンジェラ・リー・ダックスは、「歴史に残る大聖堂を造っているんだ」だと書いていますが、僕は「街」という答えのほうが好きです)

これは端的に言えば、視点の違いです。
抽象度の違いとも言えます。

そして、もっともパワーが出るのは、3番目のフェイズです(アンジェラは1番目を仕事、2番目をキャリア、3番目を天職と言います)。

ちなみに誤解されがちですが、天職とは職業のことではなく、意識状態のことです。レンガ積みであり、マックジョブであれ、それは天職になりうるのです(あるホテル王に対して「あなたはドアマンからはじめて、ついにはホテル王になりましたね」というインタビュアーに対し、「ドアマンがホテル王になったのではない、ホテル王がドアマンをやっていたのだ」と答えたことを思い出します)。




すべての仕事は(シーシュポスの運送業と賽の河原積み以外は)、確実に他の人とつながっており、社会の役に立っています。その意味で職業に貴賎はなく(影響力の違いはありますが)、どれもが社会に欠かすことができないものです。

だからこそ視点が問題です。

そして視点こそが、やり抜く力を鍛えてくれるわけです(そしてそれでもなお、どの集団に属するか、そして精神的に深くつながれるかが大事になります)。

まといのばもその意味ではいつも「偉大なチーム」の一つとして機能したいと思っています。


不毛な土地をその才覚と実行力で豊穣の土地に変えた八田與一という土木工学者がいます。
彼の先生が小樽港の父と呼ばれた広井勇教授でした。

広井教授はこう語ったと言われています。

もし工学が唯に人生を煩雑にするのみならば何の意味もない。これによって数日を要するところを数時間の距離に短縮し、一日の労役を一時間に止(とど)め、それによって得られた時間で静かに人生を思惟し、反省し、神に帰るの余裕を与えることにならなければ、われらの工学には全く意味を見出すことはできない。(『現代日本土木史』より)

インフラというのは、生活水準を引き上げ、そして何よりも貴重な時間を創ります。
農業生産にとっては死活問題です。

広井勇教授は「技術者は、技術を通して文明の基礎づくりだけを考えよ」とも言います。

気功技術もまた文明の基礎づくりに寄与すると「まといのば」では確信しています。

そしてまたコツコツと技術を創っていこうと思っています(ちなみに技術やテクノロジーを使うためには、最低限のリテラシーが不可欠です。たとえば携帯電話やスマホを我々は簡単に使っているようですが、これらもまた使用者の高いリテラシーに支えられています。たとえば文字が読めなければ、スマホはほぼ文鎮です。気功技術のためのリテラシーは科学教育であり、啓蒙教育です。汎用性の非常に高い知識です。

それらをきわめて圧縮した形で学ぶためには、来年早々に始まる寺子屋新シリーズが最適です。

気功そのものを一気に加速学習したい場合はOnLine ReCordを!

個々の技術を試してみたい場合は「はじめての気功」シリーズを。まとめて体系的に圧縮して学びたい場合はスクールがオススメです。

ちなみに直接に自分に必要なところを、自分に必要な速度で学びたいという場合はパーソナルセッションも可能です。スクール卒業生限定です。そろそろまた募集再開します!)



【書籍紹介】
やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける/ダイヤモンド社

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Gritの中にはこんなニーチェの言葉が紹介されています。
天分だの、天賦の才だのと言って片付けないでほしい! 才能に恵まれていない人びとも、偉大な達人になるのだから。達人たちは努力によって偉業を成し遂げ、(世間の言う)”天才”になったのだ。・・・彼らはみな、腕の立つ熟練工のごとき真剣さで、まずは一つひとつの部品を正確に組み立てる技術を身につける。そのうえでようやく思い切って、最後には壮大なものを創りあげる。それ以前の段階にじっくりと時間をかけるのは、輝かしい完成の瞬間よりも、むしろ細部をおろそかにせず丁寧な仕事をすることに喜びを覚えるからだ」(No.879/4659 『Grit』)

どこかで見覚えのある文章ではないでしょうか?
デジャブにおそわれないでしょうか?

そうですMasteryです。

Masteryの中でも重要な引用としてありました。我々は才能という言葉に逃げるが、実際はコツコツと努力しており、そして彼らはその些細な細部をおろそかにせず丁寧に仕上げることに義務感ではなく、喜びを覚えるのです。


八田與一、広井勇の記述は司馬遼太郎さんの「街道をゆく 40 台湾紀行」からの孫引きです!

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最近読んでいて面白かったのはこちら!
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「世界一のファンド・マネージャーは、ウォーレン・バフェットではない。ジョージ・ソロスでもなければ、ビル・グロスでもない」というエキサイティングな滑り出しから始まるサスペンス仕立ての歴史モノです。
映画のようなスリリングな展開で、エッフェル塔ができたばかりのパリ、マンハッタン計画のアメリカ、アインシュタインの奇跡の1年、フェルマーとパスカルのギャンブル、そしてタレブのブラック・スワンとマンデルブロのフラクタルを融通無碍に横断していきます。
「経済数学の直観的方法」と併せて読むと相当に面白いのではないかと思います。

というか、この内容で1月に寺子屋「はじめての金融工学」を開催します!

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