昨日のIQ講座ではひさしぶりに「耳を開く(聴く)」という技術を公開しました。
(「はじめての気功・IQ講座」では「歯車」のアップデート版、エレベーターのアップデート版、そして「耳を開く」のアップデート版を公開)
印象としてですが、3つの技術の中ではもっとも気に入られていたように感じました。もちろんメインは「歯車」なのですが、お気に入りの技術に「耳」が取り入れられそうな感じがありました。
そのセンスは非常に正しいように思います。
僕らはIQを上げようと自助努力をしてしまいますが、自分を高めることよりも、外の世界に対してどれだけ自分を開いて(耳と目を開いて)情報を取り込めるかが重要です。それも双方向的な通信の際にです(読書や勉強だと吸収にフォーカスしがちですが、この場合は逆にinputではなくoutputにフォーカスすべきです)。
すなわち、聴くこと(input)に集中すると、結果的にIQが高いという状態になります。
(昨日の講座をなぞれば、IQとはその人に依存するのではなく、関係に依存するということです。自我という「点」にではなく、関係という「線」にIQは存在するということです。機能を果たしたときに、その果たし方の巧拙から、結果的にIQが高いとか低いという評価が生まれるということです)
ですので、インターネットで言えば、上りではなく下りを大きくする。下りもブロードバンドにすることで(変な言い方ですが)、(気功などの)働きかけが容易になります。ミヒャエル・エンデのモモやカール・ロジャーズのカウンセリングではないですが、聴くことだけで癒やし(ヒーリング)が終わる可能性もあります。問題が解決し、機能を果たせるということです。
ただ「聴く」というのはきわめて難しい行為です。
本日はバレリーナの講演会がありますが、ここでもポイントはどう「聴く」かです。
何がコンテンツと定義するかにもよりますが、コンテンツに注目すると大事なものが失われます。
コンテンツとは「イイタイコト」と言い換えてもいいですし、言語(語られているコト)と言っても構いません。圧縮可能(ここで言えば要約することができる)な情報を狭義のコンテンツと見なします。
言語と非言語という二項対立で言い換えても良いかもしれません。
ざっくりと言えば、言語に注目すると非言語が隠れてしまうということです。
言語と非言語はウロボロスの蛇のように、互いが互いを補完しています(蛇は補完しているというか食べあっていますが。まあ象徴として)。しかし、言語に注目してそれだけに集中すると、多くのものがうしなわれます。すなわち、非言語部分が失われ、そして結果的に言語も残らなくなります。
具体的に言えば、この人は何を語っているのだろうと要約しながら、圧縮しながら聴くと、大切な部分を聞き漏らすということです。
言葉というのは音楽と同じで流れていくものです。時間と同じで一瞬として止めることはできません。それは書籍であれ、講演のような発話であれ同様です。そして一瞬一瞬に意味はないのですが(ドという音に意味はなく、「あ」や「A」という言葉に意味はありません)、その連続性の中で意味が浮かび上がります(厳密には「状況」と絡み合うことで意味が浮かび上がります)。
しかし、すべてを記憶することは不可能ですし、それだけのメモリを食うわけにも行かないので、圧縮することは必須です。
ですが、語られた言語にフォーカスしすぎ、圧縮に必死になると、非言語や状況ということが見えなくなります。
では、どうすればいいのか。
これはシンプルです。
「どのように語っているのか」に注目し、その「どのように」の部分にフォーカスすることです。
平たく言えば、何を語っているか(What)だけではなく、どう語っているか(How)に注目する印象でしょうか。
Whatが言語に対応し、Howが非言語に対応します。
そうすると意味の呪縛にとらわれないで、相手の言いたいことが本当の意味で浮かび上がってきます。
本日の講演会も是非、そのように楽しんでいただければと思います。
井脇幸江さんはバレリーナの中では特異的に言語化することに長けた人だとは思います。
ですが、それでもバレエとは言葉のない芸術ですし、踊りで表現するものですので(今回は踊りも見れます!)、バレリーナの言葉はその意味で理解するのは難解です(ですので、便乗企画で「まといのば」なりの解説のセミナーを開催しようと思っています)。
語られていることだけではなく、その語り方にも注目しながら、講演会を楽しみましょう。僕も今日は講演会に一部二部ともに参加しますので、会場でお会いできましたら、声をかけてください!!
直接、バレリーナの肉声が聴ける機会は多くありませんので、是非!
詳細はこちら(バレリーナ 井脇幸江の語る講演会)
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何がコンテンツと定義するかにもよるが、コンテンツに注目すると大事なものが失われる
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