昨年から徐々に準備してきて、この7月に一気に駆け上がった感のある数学から遠く離れ、今度は社会科学に切り込みます!
8月のテーマはガラッと変わって、政治学と文学です。
得意な方は多いのではないでしょうか?
もしくはかっちりと基本を学び直したいという方も多いでしょう。
文学と政治学に関しては、無駄なおしゃべりが多くてきちんと学ぶことが少ないものです(きっときちんと教えることも少なく、趣味に耽溺する教師が多いのではないかと勝手に妄想します)。
もちろん政治学も文学も非常に広大な知の世界ですので、いつもながら全体像を俯瞰しつつ、「まといのば」流に鮮やかに切り込んでいきたいと思います。
第1講座のテーマは政治学です!
政治も非常に広大なテーマですが、政治学におけるきわめて重要な特異点、もしくは結節点と「まといのば」が考えている事象があります。
この概念の誕生の前後では明らかに政治が変わったと言えるようなものです。
それは「社会契約」であろうと考えます。
社会契約以前と以後では様相は一変します。たしかにプラトンは著作「国家」の中で理想のコミュニティを描いてます。しかしそれは奴隷が支えていた砂上の楼閣でした。たしかに社会契約移行も人権は徐々にしか認められたなかったとは言え、そこが大きなクラックであり、結節点であり、特異点となり、変化が時間と共に広がり、その広がりは後戻りできないものです。
とは言え、社会契約論は我々に馴染(なじ)みにくいものです。なぜなら我々にとってはそもそも一神教の絶対的な神がフィクションであり、王権神授説の国家像から社会契約に移行したと言っても、そこにリアリティを感じることなどできないからです。なぜなら、そもそも我々には西洋的な神がいないからです。全知全能で万能な一神教の神という(きわめて歪んだ特殊な)神観を共有しないからです。
ホッブズたちが「社会契約」と力めば力むほど、そこはかとなく僕らには笑えてしまうのです。
*ホッブズと言えばリヴァイアサンです。今回ももちろん出てきます(^^)
社会契約や革命や人権などで熱く盛り上がれるのは、頭が弱いか、深い神への信仰があるおめでたい人々だけなのです。これは単なるルールですし、むしろ当たり前のルールです。
そして天賦人権などでは毛頭なく、国民に主権があると「要請する」のです。我々は生まれながらに平等であると「要請する」のです。人権が国民にあると宣言するのは神でも、社会契約という神話でもなく、我々自身です。
無駄に熱く盛り上がる社会契約を生暖かく眺めつつ、そのカラクリを鋭く見抜きましょう。
社会契約を中心として、政治学を俯瞰しながら、政治学の全貌とゲシュタルトを楽しく構築していきましょう!いつもながら原典を引用しつつ、楽しく政治学の世界を縦横無尽に動きまわります。
物理学や数学から一転しての社会科学ですので、ゆったりと楽しく受講していただけるかと思います!
第2講座も根強いリクエストを多くいただく文学をテーマにします。
振り返ってみると、昨年は文学の中でも東洋の長い伝統と漢字文化圏での普遍性をほこった漢文を扱い、また最も読まれた文学であろう聖書を扱い、そして文学の曽祖父であるギリシャ神話をやりました。
文学は実に広いものです。ですので、今回は文芸批評、すなわちcriticから文学を眺めて見ます。
ちなみに教科書としては筒井康隆さんの傑作「文学部唯野教授」を使います。文芸批評のゲシュタルトを一気につくり上げるということではこれ以上のテキストはないのではないかと思います。これまでも何度か紹介しています。たとえば、「文学部只野教授の風景 2011-12-09」などです
(この時期はクライアントの大学生の論文の相談に乗っていた時期です。とある文学部の教授の無知に頭にきて、この記事を書いた記憶がありますw昔、昔、大昔に自分が学校で学んだ不完全な知識だけでずっと教授やるなよって思いますw)。
で、「文学部唯野教授」の目次を見てみるとかなりゾクゾクするのではないでしょうか?
目次
第一講 印象批評
第二講 新批評
第三講 ロシア・フォルマリズム
第四講 現象学
第五講 解釈学
第六講 受容理論
第七講 記号論
第八講 構造主義
第九構 ポスト構造主義
実際には筒井康隆さんのこの著作と、その元ネタになっているテリー イーグルトン 『文学とは何か」をテキストとして使いたいのですが、テリーイーグルトンの著書は中古でしか邦訳が無いので(それに高いですし)、今回はテキストとしては指定しません(ただ読んでおいていただけると助かります)。
文学はもちろん読んで愉しめば良いのですが、文芸批評と文学は一緒に進化します。読者と作者は軌を一にします。そして、文学は文学だけで孤立した島ではありえなく、他の人間の営みと同期します。
哲学と数学と物理学と同期するように、人間の営みとして文学もそれらの学問に大きな影響を受けます。
ですので、文学を文学だけで学ばずに、大きなゲシュタルトの中に位置付ければ、立体的に見えてきます!
そんなわけで、文芸批評(文学批評)から文学を眺め、人間を俯瞰しましょう!!
文学の奥深さがむしろくっきりと見えてきます。
お楽しみに!!!
~寺子屋シリーズー8月は社会科学!!政治学と文学に切り込みます!~
【日時】 隔週金曜日 19:00~21:30(延長することが稀にあります)
【場所】 東京・四ツ谷の「まといのば」の新セミナールーム
【受講料】 20,000円
(1講座あたり、基本的には銀行振込でお願いします)
【受講資格】 ブログ読者
【持ち物】 筆記用具と向上心と情熱
【お申し込み】お申し込みはこちらから。
【講座詳細】
8月1日(金) 【はじめての政治学 ~政治の特異点としての社会契約~】
19:00~21:30
20,000円
8月22日(金) 【はじめての文学 ~文学部唯野教授と文芸批評~】
19:00~21:30
20,000円
*寺子屋で1歩、先行く知性を。
【書籍紹介】
文学に関してはこちらを読んでおいてください。もし小説部分が嫌でしたら、講義だけでも通読しておいてください。
文学部唯野教授 (岩波現代文庫―文芸)/岩波書店
¥972
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ホッブズや政治学については、もし英語で良ければキンドルで0円です。
Leviathan/作者不明
¥価格不明
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しかし岩波だと4冊もあります(^_^;)
そして、頼みの綱である「まんがで読破」シリーズが無いらしいので。
ちょっと何か適当なものを探しておきます。
ただ高校の政治経済の教科書などをちらっと読んでおいていただければ大丈夫です。多分。
リヴァイアサン〈1〉 (岩波文庫)/岩波書店
¥1,015
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リヴァイアサン〈2〉 (岩波文庫)/岩波書店
¥1,123
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リヴァイアサン 3 (岩波文庫 白 4-3)/岩波書店
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リヴァイアサン 4 (岩波文庫 白 4-4)/岩波書店
¥972
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【政治学と文学!】8月の寺子屋はガラッと変わって社会科学を!政治学と文学に切り込みます!
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