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Channel: 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ
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寺子屋シリーズ「アインシュタインの特殊相対性理論」の音声教材を配信スタート

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先週開催した「アインシュタインの特殊相対性理論」のヴァーチャル受講の音声教材の配信をスタートしました。

各受講生向けにスタッフから案内が届いていると思いますので、ご確認ください!

今回もかなり難解な部分があります。

本講はガリレオ、ニュートン、アインシュタインの系譜を方程式ベースで考え、アインシュタインの言う「同時刻の相対性」についてローレンツ変換の導出を行いました。

補講はファインマンの物理学講義からE=mc^2のユニークな導出方法についてです。

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今回は、音声を聞く前にまず板書写真からチェックしてください。


板書写真のほうにかなり追加して説明を加えていますので、写真をダウンロードしてそちらを熟読されてから、そちらを参照しながら音声を聞かれたほうがより明解になるかと思います。

講義では、音声から聞いたほうが良い場合と、板書から入ったほうが良い場合がありますが、今回は後者です!

受講生向けに公開している板書写真には、解説の文言をかなり追加しています。



講義でも繰り返しましたが、アインシュタインの特殊相対性理論の厄介さは、特殊相対性理論だけを理解しようとすると「分かった気になってしまう」ということです。
「分かった気になってしまう」と鳥黐(とりもち)につかまったように、先へ進めなくなるのです。

では、どう理解すれば良いか?

シンプルな話です。ガリレオ、ニュートン、アインシュタインの特殊と一般の流れで理解すべきです。

相対性原理と言えば、アインシュタイン以前にまずはガリレオ・ガリレイです。

ガリレイ変換とは「ある慣性系における物理現象の記述を別の慣性系での記述に変換するための座標変換の方法」とされますが、言いたいことはシンプルで、どの慣性系から見ても運動法則は不変であるということです。これは相対性理論にも引き継がれていますし、現代物理学も同様です(運動の法則が成り立たないのはブラックホールなどの特異点のみと仮定されています)。

ガリレイ変換が破綻するのが、光速です。
新幹線の速度で、走っている新幹線を眺めると...静止して見えます。

しかし、光は光の速度で見ても光速度です(新幹線の「ひかり」ではありません。「光の速度で」見ることができないという話はとりあえず置いておいてください)。

これは由々しき事態として、ニュートン力学が破綻しないようにガリレイ変換を拡張したのが、ローレンツ変換です。そのローレンツ変換の意味論を変えたのが特殊相対性理論です。

ローレンツ変換はまだニュートン力学の枠を出ず、光速度一定という(パラダイム論で言う)変則性を解消するための苦肉の策でした。
(ファインマンは辻褄合わせはダメだと辛辣に言います)

アインシュタインは慣性系しか存在しないような「特殊」な宇宙を想定し、そこで光を用いて思考実験を繰り返すことで、時間と空間は同じ方程式で書けることを示し、時間と空間は独立ではないことを示しました。時空連続体です。

しかし、特殊相対性理論だけでは、まったく足りておらずただのローレンツ変換の読み直しでしかありません(偉大な業績ですが)。アインシュタインが真に偉大なのはその後10年かけて完成させた一般相対性理論によります。

これは8月の寺子屋シリーズのテーマですが、一般相対性理論とは加速度のある世界であり、加速度運動と重力現象が同値であるというアイデアをベースに、重力現象(加速度)の根拠を空間の曲率で示したことにあります。

一般相対性理論から見て、特殊相対性理論は生き生きと浮かび上がり、ニュートン力学、ガリレオの宇宙観がよりクリアに見えます。


たとえば、ガリレオは従来の(おそらくはスコラ哲学の)「静止vs運動」という考え方を「慣性vs加速度」に切り替えました。星々が自転・公転しているのに「力」はいらないということがはじめてそれで説明可能です。「静止v.s.運動」というパラダイムでは、エネルギーを加え続けないと運動しないと考えがちです(我々の日常がそうであるから、そう誤解します。しかし我々の日常には摩擦がありふれているからそのようなのです)。

この「静止vs運動」から「慣性vs加速度」という二項対立は、特殊相対性理論(慣性系)、一般相対性理論(加速度系=重力場)を思わせます(思わせるだけです。ただ学習効率ということでは関連させると加速学習できます)。

ファインマンが言うように、特殊相対性理論はF=maという運動方程式のmを定数とみなさずに、

運動している見かけの質量をm’、静止質量をmとすると、

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とすればOKということです。

すなわち、運動している質量を静止質量と同値ではなく、運動している質量は速度の関数とすれば、おしまいということです。

ですので、F=maはこのままではなく、以下のように運動量の時間微分とみなせば有効です。mが定数ではなく関数と見做すことがポイントです(まあ、ファインマンの受け売りです。講座のネタ本は以下に紹介しています)

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mを定数としてくくりだして、速度の時間微分を加速度と考えれば(そうですし)、F=maという見慣れた式が出てきます。ただこれではプリミティブということです。

ちなみに寺子屋受講生はご存知のとおり、数式(数学)も言語ですのでロゼッタストーンが使えます(というか使います)。ロゼッタストーンというのは、同じ意味の言葉を並べていくことです。知っている言葉からスタートして、知らない言語を学びます。

たとえば、ニュートン力学の運動の第二法則の運動方程式は以下のとおりです。

F=ma
Force = mass × acceleration
力 = 質量 × 加速度

Fやmが頭文字なのが直感的に分かります(当たり前とは言え)。


ちなみに個別の単語がわからないときもロゼッタストーンです。
加速度という英単語がよく分からないとします。
サクッとググれば、Weblioなどで出てきます。音声もダウンロードできます。

単語   acceleration
音節   ac・cel・er・a・tion
発音記号 /əksèləréɪʃən, æk‐/

発音記号2   ək/sè/lə/réɪ/ʃən

音節は「・」を入れても、スラッシュ「/」を入れても、音節ごとに◯で囲んでも同じことです。やりやすい方法で。発音記号も音節にあわせてスラッシュを入れても見やすいでしょう。


閑話休題


いずれにせよ、ガリレオ、ニュートン、アインシュタインの特殊と一般、できれば量子力学までを串刺しにして、往復しながら学ぶほうが、1つにフォーカスするより早く楽しく正確に学べるように思います。

原典ベースで学ぶときもそうです。

前回のニュートン力学でもアインシュタインの相対論も論文から引用を紹介しましたが、原典のほうがスッキリと抽象度が上がる感じがしたと思います。

俯瞰しつつ、インスタンスとして方程式と原典をチェックすると楽しく加速学習できると思います。

来月の一般相対性理論もがんばりましょう!お楽しみに。

まずは、来週の「デカルト平面・ガウス平面」講座、そして総復習の寺子屋・夏の集中講義です!
そちらもお楽しみに。



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