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Channel: 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ
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若きアインシュタインが特許事務所に勤め、鉄道の時計の同期を巡る特許を扱っていた事は偶然ではない

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今この瞬間に回心し、ゴールに生きようと決めたとしたら、これまでの全ての無駄なことが完璧に全てゴールのための肥やしになり、ゴールと関係していたことに気付くのです。

これが非常に面白いところです。

一見すると、役に立たず、人生を浪費していたように感じていた負債の数々が、見事にゴール達成のための希少な資産に化けるのです。

認識次第で文字通り宇宙が変わります。

これは皮相なポジティブシンキングではなく、宇宙の書き換え方なのです。

最近流行りの言い方で言えば、異世界への転生の仕方です。もしくは現状の外への飛び出し方、もしくは理想世界への移動の仕方と言えば良いでしょうか?

 

 

僕が好きなエピソードは、とある若きユダヤ系ドイツ人の話です。彼はスイスの特許局で特許の審査をしていました。

もう少し解像度高く迫ると、その青年が取り扱っていたのは、鉄道駅の時計の同期を巡るものでした。

 

僕らは忘れがちですが、標準時が設定され時計が同期されるようになったのは比較的最近です(1883年)。

いやいやそれ以前に蒸気機関車は19世紀と共に誕生しました。
1802年、リチャード・トレビシックがマーサー・ティドヴィルのペナダレン製鉄所で高圧蒸気機関を台車に載せたものを作った。これが世界初の蒸気機関車とされている。)Wikipedia『蒸気機関車

 


*ターナー『雨、蒸気、スピード-グレート・ウェスタン鉄道(Rain, Steam and Speed – The Great Western Railway)』1844

 

時計はそれまではもっとゆるやかなものでした。日時計は古くから存在し、教会の鐘の音は時を知らせましたし、お寺の鐘の音もまた時を知らせました。

とは言え、日の出と日の入り、そして南中が明確なだけでした。

ですので、日本語ではTime(時)という字は太陽(日)と寺で構成されています。

時計の短針は日時計の影の動きをそのまま反映しています。

 

 

そう言えば高知城でも日時計を発見しました。

 

 

基本的にローカルでしか人は生きておらず(今も大多数の人はそうです)、長距離を短時間で移動するというのは、鉄道が出てきてからのことでした。また鉄道の存在故に遠く離れた場所同士での時計の同期が必須となりました。

 

現代に住む人は分からないかもしれませんが、かつて鉄道というのは文明の象徴でした。別の世界への通り道、いわば異世界への転生の回路でした(ちょっと違うか)。

 

 

 

僕が印象的だと思うのはオルセー美術館の前身が鉄道駅であるという事実です。

 

 

最近で言えば、、、、

 

 

話を戻します。

 

物理学を志したのに数学が苦手すぎて、そして教師から嫌われすぎて、大学への職を得られずに、特許局に勤める羽目になった若き天才は、鉄道駅の時計の同期を巡る特許を扱っていました。

 

そして、その数年後に「同時刻の相対性」を時計の同期問題を厳密に記述することで、「同時刻の相対性」証明します。

これが後に特殊相対性理論と呼ばれる論文の冒頭です(その論文の冒頭は下に引用しています。寺子屋「アインシュタインの一般相対性理論」のレジュメにも同じ引用を載せました)。

(引用開始)

若きアインシュタインが大学の職を得る前にスイスの特許事務所に勤め、鉄道駅の時計の同期を巡る特許を扱っていたことは、決して単なる偶然ではない。おそらくそのなかで、時計の同期問題が最終的には解決不可能であることに思い至ったのだろう。
つまりアインシュタインは、人々が時計を同期させることに合意してからほんの数年で、時計を正確に同期させることは不可能だと悟ったのだ。
(カルロ・ロベッリ『時間は存在しない』)(引用終了)

*恐るべきことに、テクニカルに時計の同期が不可能と悟ったのではなく、宇宙の原理として、同時刻というものは存在しない(異なる慣性系での時計を正確に同期できない)ということを証明してみせたのです。

*「決して単なる偶然ではない」のです。そして偶然などほとんど無いのです。

 

 

 

ここで面白いのは、特許局の役人として鉄道駅の時計の同期を巡る特許を審査していた経験が、特殊相対性理論の証明に役立ったということです。

 

似た例として、ハイゼンベルグを思い出します。

 

*これはブレイキング・バッド(Breaking Bad)の主人公ハイゼンベルグ、、、。

これは必見。

 

博士課程の試験でしたか、ハイゼンベルグは光学が苦手で、口頭試問で苦労しました(ちょっとうろ覚えです。少なくとも光学が苦手だったのは事実です。アインシュタインが数学が苦手だったように)。

 

 

そして光学で苦労した経験を活かして、ガンマ線による光学顕微鏡の思考実験から不確定性原理を導きました。

 

何というか、人生というのは不思議なものです。

 

本当にゴールだけを見つめていれば、無駄なことなど1つもないことが分かるのです。

 

全ての伏線が回収され、この瞬間のためにあるという大団円を迎えるのです。それも幾度も。

 

ゴールだけを見つめ、Want toだけをしましょう!!



【参照資料】

 

参照資料の最初はアインシュタインの特殊相対性理論です。


動いている物体の電気力学       A.アインシュタイン

 動いている物体の関与する電磁現象を、マクスウェルの電気力学を用いて説明しようとする場合ーー今日、われわれが正しいものと認めている解釈によればーーたとえば、ある二つの現象が本質的には同じものと考えられるにもかかわらず、その電気力学的説明には大きな違いの生ずるという場合がある。(略)
 上述の話と同じようないくつかの例や、“光を伝える媒質”に対する地球の相対的な速度を確かめようとして、結局は失敗に終わったいくつかの実験をあわせ考えるとき、力学ばかりでなく電気力学においても、絶対静止という概念に対応するような現象はまったく存在しないという推論に達する。すなわち、どんな座標系でも、それを基準にとったとき、ニュートンの力学方程式が成り立つ場合、そのような座標系のどれから眺めても、電気力学の法則および光速の法則はまったく同じであるという推論である。この推論は1次の程度の正確さで、既に実験的にも証明されている。そこでこの推論をさらに一歩推し進め、物理学の前提としてとりあげよう。また、これと一見、矛盾しているように見える次の前提も導入しよう。すなわち、光は真空中を、光源の運動状態に無関係な、ひとつの定まった速さcをもって伝播するという主張である。静止している物体に対するマクスウェルの電気力学の理論を出発点とし、運動している物体に対する、簡単で矛盾のない電気力学に到達するためには、これら二つの前提だけで十分である。ここに、これから展開される新しい考え方によれば、特別な性質を与えられた“絶対静止空間“というようなものは物理学には不要であり、また電磁現象が起きている真空の空間のなかの各点について、それらの点の“絶対静止空間”に対する速度ベクトルがどのようなものかを考えることも無意味なことになる。このような理由から、“光エーテル”という概念を物理学に持ち込む必要のないことが理解されよう。
 これから展開される理論ではーー他のどんな電気力学でもするようにーー剛体の運動学をその基礎とする。なぜならば、どのような理論でも、そこに延べられていることは、剛体(座標系)および時計と電磁的過程との間の関係に関する主張だからである。動いている物体の電気力学を考究しようとするとき、われわれが直面するいろいろの困難はすべて、上に述べたような事柄に対して、いままでに、十分な考察をしなかったことがその原因である。

 

c.f.【5期】メールレクチャー第3弾(公開中) 2012年03月21日
(ブログより引用)
アインシュタインも同様です。スイスの特許局のさえない事務官が机の下で計算していたのが相対論です。マイケルソン・モーリーの実験(光を媒介するエーテルの発見のための実験。1881年。失敗に終わる。そこで光速度が一定であることが逆に検証される)は終わっており、マックスウェルの方程式(なぜか光速度が一定になる方程式。直観ともニュートン力学とも整合しないので、何かの間違いと思われていた)は知られていたので、誰もが光速度一定を「事実」として知っていました。しかし、「光速度一定」を「原理」にしたのは、アインシュタインが最初でした。光速度一定を認めれば、物理学の常識がガラガラと崩れ、ニュートン力学を否定しなくてはいけません。果敢に挑戦したのが「動いている物体の電気力学」という控えめな論文です。
そのアインシュタインが量子論を最後まで認めなかったのは歴史の皮肉ですが。ちなみに量子論をスタートさせた1つの動力はアインシュタインがノーベル賞を取った研究である「光電効果の光量子仮説」です。ちなみにこの論文は世間の評価が低かったのですが、評価したのが唯一マックス・プランクであり、そのことによって徐々に認められたというのも歴史の皮肉です(面白くありませんか?)。

また同年アインシュタインは博士論文を書いたのですが、それを拒否されています。その代わりに出したのが後のブラウン運動の論文です。そして拒否されたのが相対論の論文というのが面白いと言えます(天才は理解されません)。
アインシュタインは博士論文を拒否されましたが、一方でアインシュタインは彼しか理解できなかった天才を救っています。有名な話しですがド・ブロイの博士論文です。ド・ブロイの物質波の論文は当時の試験委員には理解できず、試験委員の一人(ランジュヴァン)がアインシュタインにその論文を送ります。アインシュタインのお墨付きがあって、ド・ブロイは博士論文を受諾されます。江戸の仇を長崎で討つと言った趣です(違うか)。その後、アインシュタインはその論文を引用して自分の論文を完成させています。天才たちのスピード感あふれる世界が広がります。

ちなみにこの年は奇跡の年と呼ばれ、アインシュタインは「光量子仮説」「ブラウン運動の理論」「特殊相対性理論」に関連する5つの重要な論文を立て続けに発表しています(これ、岩波でも読めます)。ニュートンがプリンキピアを書き上げた黒死病の1年のようです。ペスト大流行のために、実家で暇にあかして書いたのがプリンキピアです。それがのちのニュートン力学となります。(ブログより引用終了)

 

 

そして2つ目はハイゼンベルグが不確定性原理を発見する瞬間です。

若きハイゼンベルグは、アインシュタインからのアドバイスを受けて、考え方をガラッと変えました。

 

(引用開始)

あの晩の夜半のことであっただろうか、私は突然アインシュタインとの対話を思い浮かべ、そして彼の意見、「理論があってはじめて、それが何を観測できるかということを決定するのだ」を思い出した。この長く閉ざされたドアを開く鍵はここにあるに違いないことを、私はすぐに悟った。そこでアインシュタインの意見の帰結をよく考えてみるために、私はその時すぐに、ファレ公園へ真夜中の散歩に出かけたのであった。確かにわれわれは、いつでも霧箱の中における電子の軌道は観測することができる、と軽々しく言ってきた。しかしひょっとすると、人が本当に観測するものはもっとわずかなことであるのかも知れない。おそらく、不正確に決められた電子の位置のとびとびの列だけを認め得るのかもしれない。事実、箱の中の個々の水滴だけを人は見ているのであり、それは確かに一つの電子より遥かに広がったものである。だから正しい設問は次のようなものに違いない。量子力学において次のような状態を表現することができるか?その状態では、一つの電子が、ある程度の不正確さでもって、ある一つの与えられた場所に存在し、また同時に、再びある程度の不正確さでももって、前もって与えられた速度の値を持ち、そしてこの不正確さの程度を、実験との間に困難をきたさないように、できるだけ小さくすることができるか?、と。そのような状態を、数学的に表現することができて、そして不正確さについては、後に量子力学の不確定性関係と名付けられた、あの関係が成り立つことを、研究所へ帰ってからのちょっとした計算が証明したのであった。場所と運動量(運動量というのは質量と速度の積のことである)との不確定さの積は、プランクの作用量子より小さくはなり得ない。これでもって霧箱の中における観測と量子力学の数学との間の結びつきが遂に整えられた、と私には思えた。

 

(中略)

 

そのような(原子の中の電子を直接見ることができるような異常な高い分解能をもった)顕微鏡は、もちろん可視光ではだめだろうと思うが、おそらく硬いガンマー線を使えばうまく働くだろう。原理的には、あるいは原子内での電子の軌道を、それによって写真にうつすことができるのではなかろうか。そこで私はそのような顕微鏡でも、不確定性関係によって与えられる制限を超えることは許されない、という証明をしなければならなかった。この証明は成功して、新しい解釈が首尾一貫していることに対する私の確信は強められた。(部分と全体 pp.127-128)

 

 

 


ちなみにアインシュタインのこのアドバイスのシーンは感動的です。

アインシュタインは自分の方法論自体を否定してみせたのです。それは思考の原理ではなく、ただの方便だと切り捨てました。

 

一九二六年の春、私はこの談話会で新しく生まれた量子力学について、報告するようにとの招待を受けた。(略)アインシュタインは談話会の後で、彼の私邸で新しい考えについてもっと詳細に討論しようと私を誘った。(略)

「あなたが談話会で話したことは、全く尋常ではないもののように聞こえました。原子の中に電子があるということを、あなたは仮定しましたね。そしてその点ではあなたはきっと正しいのでしょう。しかしとにかく霧箱の中では、電子の軌道を直接的に見ることはできはしますが、原子の中での電子の軌道を、あなたは完全にしめ出してしまいたいのですね。この奇妙な仮定に対する理由を、もう少し正確に私に説明してくれませんか?」

「原子の中の電子の軌道は観測できません」と当然ながら私は答えた。(略)

アインシュタインは反論した。「しかしあなたは、物理学の理論では観測可能な量だけしかとりあげ得ないとということを、本気で信じてはいけません。」

私は驚いて聞き返した。「まさにあなたこそ、この考えをあなたの相対性理論の基礎にされたのではなかったでしょうか?この絶対時間というものは観測されないのですから、絶対時間について人は議論してはならないのだということをあなたはたしかに強調されました。規準系が運動していようと静止していようと、ただ時計の示す所だけが、時間の決定に関係するのであるということを」

「おそらく私はその種の哲学を使ったでしょう」アインシュタインは答えた。「しかし、それでもやはりそれは無意味です。あるいは、もう少し控え目な意味で、われわれが実際に観測するものを思い出すことは発見の手順としては価値のあることと言えるかも知れません。しかし原理的な観点からは、観測可能な量だけをもとにしてある理論を作ろうというのは、完全に間違っています。なぜなら実際は正にその逆だからです。理論があってはじめて、何を人が観測できるかということが決まります。

(部分と全体 pp.102-104)
c.f.【募集開始】あくびが人にうつり、微笑みが感染し、怒りが燃え移るように、気功は非言語で届く! 2018年01月29日

c.f.おそらく私はその種の哲学を使ったでしょう。しかしそれでもやはりそれは無意味です(アインシュタイン 2021年03月21日

c.f.しかし原理的な観点からは、観測可能な量だけを元にしてある理論を作ろうというのは、間違っています。 2022年01月01日

 

長々と資料編が続くことをご容赦いただきつつ、もう1つだけ引用させてください。

ハイゼンベルグの最初の不確定性原理がいかにシンプルかを示す好例です。

 

もちろん数学的にはより厳密な証明が必要なのでしょうが、直感的にはこれで十分です。

これは後により厳密な形で形式化されました。そして実証もされました(小澤の不等式です)。

寺子屋「ハイゼンベルグの不等式」ではその点についても言及しています!

 

 

(引用開始)

電子がどこか遠くからx軸に沿って飛んでくるものとする。そこにガンマ線をぶつけるのだが、反射されたガンマ線を顕微鏡で見ることができるとすれば、その対物レンズの範囲のどこかを通過しているはずである。ただし、このレンズの幅の中で、どの位置をガンマ線が通ったかを知ることができない。これがこの顕微鏡の分解能であり、跳ね返ったガンマ線について知ることのできる限界である。この値は光学レンズに関する法則から簡単に計算できて、

 

q~λ/sinε

 

次に、このガンマ線の衝突によって、電子は跳ね飛ばされているはずである。つまり電子の速度には、何がしかの変化が生じているはずである。ところが、どれくらいの変化があったかを知ることは直接にはできない。というのは、この測定の瞬間に得られている情報は、跳ね飛ばされたガンマ線に関するものだけだからである。同じ瞬間に、運動量がどれくらい影響を受けたかも、跳ね飛ばされたガンマ線の様子から推定するしかない。この場合も、ガンマ線が対物レンズの片方の端を通った場合と、もう一方の端を通った場合の間で、どれくらいの運動量の差がありうるかを計算すればいい。これがコンプトン効果と同じ計算によるものであることは明らかであろう。その結果、ガンマ線のx軸方向における運動量の変化は

 

p~hsinε

 

になる。以上の二つの式を掛け算すると、

 

qp~h

 

が得られる。

 

位置測定の限界と、それによって不可避的に生じる運動量の変化を掛けた値はゼロにならず、ある有限の値になる、ということである。このとき、顕微鏡の大きさなどを表す値が消えたことに注意してほしい。εはレンズに固有の値であるあが、それが計算の途中で相殺されてしまう。また測定に使ったガンマ線の波長λも打ち消し合ってなくなってしまう。つまり、この式は、観察に用いる顕微鏡やガンマ線のような観察手段によって変わったりすることのない、一般的な法則なのである。

このときガンマ線の波長を短くすれば、位置の精度はどんどん細かくできることは最初の式から明らかである。角度εは顕微鏡によって決っているのであるから、波長λが小さいほど顕微鏡の分解能は高くなり、電子の位置の測定は正確になる。しかし同時に、二番目の式から明らかなように、λが小さくなればなるほど、電子の運動量(速度)は大きく乱される。この極限は、位置を完全に決めたときで、このときλは仮想的にゼロであるから、運動量の変化は無限に大きくなってしまう。これが、位置と速度を同時には決めることができない、ということの実質的な内容なのである。

(ハイゼンベルクの顕微鏡 pp.29-31)
(引用終了)

 

 


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