人を観るときも、人様の内部表現を観るときも、コーチングにせよ、メンタリングにせよ、ヒーリングにせよ、何かそのようなことを為すときは、人そのものや内部表現そのものを一個の巨大な謎だと見做すと良いかもしれません。
謎が謎を呼び、謎の塊としての一個の巨大な謎です。
自分が到底解くことのできないであろう巨大な謎として対峙することです。
僕らの脳は「サボる」ことを第一優先にするので、人を第一印象で決め、自分のバイアスと気分で断定し、そして一度見たら、もう二度とその人を観ることなく、脳内の曖昧な記憶を自信をもって参照します。
でも、「一個の巨大な謎」として観る視点があれば、穴の開くほどに眺め、そして頭をフル回転させて考えるでしょう。それ自体はエネルギーも必要ですし、疲れることですが、とても楽しいことでもあります。
ヒーラーやコーチとして生きると決めたならば、この「一個の巨大な謎」として世界を眺める癖をつけると良いです。人間だけではなく、たとえば人間が書いた表現形式の一つである文章も同様です。
文章も早見えするのは悪くないですし、速読も奨励しますが、でも自分は何を見落としているのだろうか、といつも自問する癖をつけると良いかもしれません。
「自分のバイアスは何だろう?」「自分のスコトーマは何だろう?」、と。
結婚式をめぐる毒親との確執は読めば読むほどに味わい深いのです。
Q.以下の文章を呼んで、質問に答えよ。
結婚式の時、両親はいつものようにすべてを取り仕切ろうとしたが、私は生まれて初めて勇気を出して自分の意志を通し、親には口出しをさせずに自分たちのやりたい方法でやることにした。だが、その結果どうなったかというと、まず両親は結婚式にあらわれなかった。そればかりか、彼らは親戚中に私の悪口をふれてまわった。私は「可哀相な親の喜びを奪ったひどい娘」にされてしまい、家族も親戚もみな口をきかなくなった。
それから数年後、私の母はガンにかかり余命が短いことを知った。ところが母は、自分が死んでも私にだけはそのことを知らせないようにと親戚中に伝えていた。私が母の死を知ったのは、死後五ヶ月たってからだった。偶然出会った古い友人からそのことを知らされたのだ。父に電話すると、「さぞいい気持ちだろう。お前がお母さんを殺したようなものだ」という言葉が返ってきた。
父はその後も非難の言葉を吐き続け、それから三ヶ月後に死んだ。
Q.1 なぜこの2文目は「だが」から始まるのでしょう。
Q.2 「この物語を親子のそれと思うなかれ、と僕は考えます。」と引用者は言うが、なぜそう言えるのか(もしくはそう言えないのか)、具体的に指摘せよ。
c.f.マトリックスが何なのかを誰もあなたに教えることはできない。自分の目で見て、掴むしかないのだ 2021年12月19日
c.f.結婚式の時、両親はいつものように全てを取り仕切ろうとしたが、自分達のやりたい方法でやることにした 2021年12月16日
一番もったいない読み方は、感情的に親に(もしくは娘に?!)反発してしまい、そこで思考停止することです。そのファーストインプレッションはとても大切に棚にしまっておきつつ、冷静に読解を続けていくと、様々なものが見えてくるようになります。
ルー・タイスの「しかし」をめぐる問題と似ています。
着飾ったよそ行きの世界のあり方が、剥き出しの素の相貌を見せるのです。
次の課題文も非常に興味深いものがあります。
なぜ父は娘に執拗に「臭い」と言ったのでしょう。
(引用開始)
幼いころから、私は孤独で寂しいことがとても多かった。父はそんな私をいつもからかっていたが、十一歳になったころから、特にひどいことを言い出した。「お前は臭い」と言うのだ。ほかの人たちは可愛いと言ってくれるのに、父はそれしか言わないのだ。それ以来、父からはしょっちゅう「お前がどれだけ不潔で臭いかを知ったら、きっとみんな驚くよ」と言われてばかりいた。父の特にお気に入りのセリフは、「もしだれかがお前を内側からひっくり返してみたら、体中から臭い匂いがわき出ているのがわかるだろうよ」だった。母は、父が私をからかうのを黙って見ているだけで、父の言うことを否定してくれたことは一度もなかった。
(引用終了)(「ToxicParents(毒になる親)」スーザン・フォワード)
スーザン・フォワードは続けて、こう言います。
このたぐいの言葉は、大人の女に成熟しつつある思春期の娘に対する自分の先入観をどう処理したら良いのかわからない中年の父親によく見られるものだ。彼らは、娘が小さな子供だった時には普通の父親でいられたのに、娘が成長して性的な魅力が増してくるとともに意識過剰になり、どう接してよいかわからなくて攻撃的になるのである。
一見するとまともな分析に見えますが、たとえば、どう接してよいかわからないことが、なぜ攻撃的になるのかよく分かりません。
そして、なぜ無根拠に「娘が小さな子供だった時には普通の父親でいられた」と断定できるのかも分かりません。
「思春期の娘に対する自分の先入観」とは一体何を指しているのでしょう。
優等生キャラを放棄しなければいけない理由は、ここにもあります。
自分にとっての権威が話すことを無条件に受け入れる練習をしていると、それ自体が抑圧的になります。それが無意識であればあるほど厄介なことになります。
純粋に「なぜなぜ」と問う子供のように、丁寧に読解し、すべてを疑い(デカルトかっ!)、具体的に考えることです。
慣れてきたら、それが速くなってきます。
もっと慣れてきたら、同時にいくつかの仮説を走らせながら、いくつかのディベートを脳内でできるようになります。
もっと慣れてきたら、その有様を俯瞰しながら、抽象度のレイヤーを移動できる鬼門を強引に見つけて、こじ開けられるようになります!
*また忘れそうなので、ブログの途中ですが、告知です!
12月28日(火)に年忘れセミナーを開催します!
年忘れは冗談ですが、「まといのば」講座です。
テーマは「アジュナの覚醒」と銘打ちますが、アジュナ始まりでいろいろなことをやります。
「いろいろなこと」については、ブログでガンガン書きます。心配なのは時間だけです(時間をセーブするためにブログでコンテンツのことをガンガン書きます)。
お楽しみに!
かなり地味な作業を繰り返すことで、奇跡的な「脱洗脳」やヒーリングやコーチングが可能となるのです。
そして、その地味な作業を支えるのが、最低限の教養なり、社会科学的なデータを肌感を持って知ることです。
たとえば、大学進学率や引きこもりの人数などは具体的にかつ肌感覚を持って知っておくと、自分のバイアスが浮き彫りになります。類は友を呼ぶではないですが、そもそも自分と同じ属性の人が集まりますし、また集まった人の深い闇をシェアしてもらえないだけの理由が自分にあったりします。
というわけで、脱洗脳&ゴール設定スクール最終日もがんばりましょう!!
楽日は12時からゆるゆるとスタートしています!
*ライブ(Zoom)受講やヴァーチャル(ビデオ)受講も可能です!!
【脱洗脳&ゴール設定スクール 〜「内部表現書き換え」のリアルな風景〜】
【日時】 12月18日(土)13:00〜18:00
12月19日(日)13:00〜18:00
【場所】 四ツ谷のセミナールーム(丸ノ内線四谷三丁目駅、都営新宿線曙橋駅が最寄り)
【受講料】 230,000円(PayPal決済可能です。請求先アドレスを記載してください)
【受講資格】 「まといのば」のセミナー受講生、メンター生・修了生
【持ち物】 情熱とゴールと筆記用具、動きやすい服装
【お申し込み】お申し込みはこちら!!(フォームメーラー)
*なぜ愛する人を毒針で刺してしまうのか、、、、、それは代々受け継がれてきた毒が自分の全身をまわり、朦朧としており、認知が歪んでいるからです。