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Channel: 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ
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Yogaでもバレエでも、先にまずイメージがあり、あとからそれに身体を沿わせる

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バレリーナたちが振付を覚える速度というのは恐るべきものがあります。
そのコツは何なのかに興味がありました。
もちろん圧倒的な慣れというのはあります。同じ身体言語を飽きもせず子供の頃から繰り返してきており、そしてヴァリエーション(振付)の曲数もパターンもそれほど多くないので、覚えてしまえばおしまいというところはあります。ですから、習うより慣れろということはあるでしょう。
どれだけ内に振付の記憶のストックを持つかが勝負ということです。

しかし、それでは、「振付やアンシェヌマンを記憶するスピードを速くしたければ、たくさん覚えればいい」といういたって普通なアドバイスになります。

アマチュアというかバレエ初心者とプロのバレリーナの振付の覚え方の癖を見ていると面白い違いがあるように思います。

アマチュアは自分自身が身体を動かすものとして振付を感じ、プロは映像としてまず振付を捉えるということです。絵の連続としてつかまえて、自分が動くかどうかは二の次ということです。強いていえば、モーションキャプチャーのような感じで、覚えていきます。すべての身体の動作をべったり覚えるのではなく、情報をたくさん落として、いくつかの点がどう動くかを覚えるという感じで覚えるように感じます。モーションキャプチャーは人間の身体をコンピュータにコピーする際に、手足のマーカーの座標とその座標の変化だけを覚えさせます。



そのような形で動きを頭にいれてしまってから、そのある動きと動きの間をアルゴリズムで埋めていく感じです。あるポジションからあるポジションへスムーズへ行く演算はどのように可能なのかをあとで確認します。

それに対して、突然振付を与えられた初心者は、まず「自分に踊れるだろうか?」と自問し「この動き、苦手なの」とセルフトークし、「あ、考えている内に振付が先に行ってしまった」と反省します。
そして自分が動くということを前提に、動いて覚えようとします。
プロはまず見て、脳内にモーションキャプチャーを完全にコピーして、それを脳内で動かしてみて、演算の整合性をチェックして、その上で軽くマーキングし、それから動きます。この作業が異常に早いので、見た瞬間に覚えて踊っているように見えます。
でも子細に観察すれば、見ているモード、頭の中で再現しているモード、そして動いてチェックするモード、そして実際に踊るモードをきちんと順を追っているのが分かります。

そして途中に演算が入るので、一種の手続き記憶となります。一つ一つバラバラなものを大量に覚えるのではなく、ある動きのあとに必然的に来るパターンとして次を覚えているので、最初のきっかけ(最初の動き)を覚えておけば数珠つなぎのように次々とパが出てきます。

それに対してアマチュアはバラバラなものだと考えるので、論理的には(バレエのアルゴリズム的には)ありえない動きをしてしまうことがよくあります。要素と要素のつなぎ目が論理(アルゴリズム)であることまで思い至らないからです。逆にそれが見えると覚えるのが早くなります(多分)。

そして大きなパターンを見るようにすれば良いことです。

卑近な例ですが、たとえば、バーレッスンであれば、前と横と後ろか、前、後ろ、横のパターンがほとんどです。とすると、ドゥバン(前)で確実に覚えて、その情報を横と後ろにコピーすると考えれば、メモリを節約できます(いや、こんなことは当たり前と思うでしょうが、これは1つの具体例です。アドバイスではなく)。

ここでは、2つのレイヤー(層)があります。1つは前、横、後ろというレイヤー、そして、それぞれのときの具体的なアンシェヌマン(ドゥバンタンジュ3つなど)、そしてその下のレイヤーとして、つま先を伸ばす、5番にきっちりしまうなどが、あります。
この様々なレイヤーを自在に行き来することが大切です。

しかし、我々は「あれ?つま先ちゃんと伸びるかな?」などの迷いをノイズとして入れてしまい、覚えるべきところできちんと見るのを忘れてしまったり、注意を聞き逃します。ぼんやりと聞き、必要なところだけをモーションキャプチャーのようにマークしてキャッチし、頭の中で何度かリハーサルするといいです。これは振付もクラスレッスンも同様です。

プロも「つま先きちんと伸びるか」は不安です。しかし、それはやってみなければ分からないことであり、いま優先順位が高いのはアンシェヌマンを覚えることであり、流れをつかむことであり、普通ではないアンシェヌマンなら細部のパターンをきちんと覚えることであるということを知っています。レイヤーを自在に移動できれば(すなわちアンシェヌマンという臨場感空間の抽象度を行き来できれば)、おそらくは素早くアンシェヌマンを覚えることが可能でしょう。

これはYogaでも同じです。「自分には無理」などというノイズはいらないので、論理をきっちり追うことが重要です。無理かどうかなどどうでもいいのです。それよりもあるアーサナが示す論理構造をきちんと見て、理解することが大切です。論理構造が身体に入れば、身体はゆるやかに(しかし通常の感覚で言えば素早く)変化します。論理構造を変えずに身体だけを変えようとすると、時間がどれだけあっても足りません。





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