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Channel: 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ
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気功ストレッチという考え方を身体にきちんと落とし込むと美肌クリーム・ダイナミック版になる

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気功ストレッチという考え方を「まといのば」では採用しています。
アイソメトリックスを用いた手法です。
アイソメトリックスは物理的な抵抗が必要ですが、その物理的な抵抗を情報的にしていきます。情報的にというのは頭で思い浮かべろということではありません。ある動きに対してそれに抵抗する側の筋肉の働きを意識に上げるだけです。

骨格と筋肉、そして関節というモデルをシンプルに考えます。
たとえば肘を考えます。肘という関節があって、曲げるための筋肉群を屈筋、伸ばすための筋肉群を伸筋と単純化します。すると屈筋にどれだけ力をいれても、伸筋が抵抗することでその力がキャンセルされることがわかります。屈筋に100の力をいれても、伸筋が98の力で抵抗すれば、肘を曲げるための力は100から98を引いて2になります。

これが合気道などの「折れない腕」のカラクリであることは繰り返し述べているとおりです。
逆に伸筋の力の度合いを落とし、屈筋もそれに合わせて落としてみます。力を抜くとコントロールが容易になります。力を入れているとその持続にコストを払うために、コントロールは困難です。理想なのは強い力をいれながら完璧にコントロールすることです。ヨーガの先ではそこを目指します。
力を抜いてコントロールすると、たとえば屈筋50に対して伸筋を47にすることができます。すると筋力の総量はおよそ半分にも関わらず、肘を曲げる力自体は2から3へと1.5倍になります。平たく言えば、50パーセント削減して、50パーセント増量です。魅力的なオファーです。
これが脱力というパラダイムの威力です。

実際には「折れない腕」にせよ、武術やスポーツで用いられるときにせよ、もう少し複雑に効果があります。たとえば100の力を持続するのは困難であり、たとえば100が90になってしまうと、その瞬間バランスを逸します。しかし脱力していれば、その筋力の維持は容易になります。また筋肉は運動器官であるとともに、感覚器官です。身体にかかる重力の変化を(もちろん重力が変化するわけではありませんが)感じて、自分の姿勢制御をします。このときの身体の細胞同士が行っているであろうコミニュケーションはもちろん電気的なものです。電磁気学に基づく張力です。重力の変化が(繰り返しますが重力自体が変化するのではなく、身体のバランスや姿勢の中でかかる重力負荷が変わります)電気的なメッセージに変換されます。この感触というのは場(Field)を考える物理学(素粒子論)と相性が良い気がしています。相性が良いというのは、そこで動いているアルゴリズムが似ているということです。平たく言えば、前後左右という周りの人だけのコミニュケーションで、全体が連携しているように見える現象の1つです。
たとえば魚の群れの回遊などのアルゴリズムもそう考えれています(群知能)。同じアルゴリズムを群れをなす小型ヘリコプターでも用いていました。

余談ですが、とは言え、これはシュミレーションモデルでしかなく、いわば近似解です。Natureダイジェストの1月号に興味深い記事(リーダーに続け ~魚群のシンクロ遊泳の秘密が解明され始めた~)がありました。結論だけ示すと「それぞれの魚は自分がこれから進む方向を最寄りの魚の動きに従って決めているのではないことが分かった。視野に入った魚全体がどこに向かっている、その方向を合成して決めているようだ。」(Nature ダイジェスト 2014年1月号 p.6)
これが面白いのは2つあります。1つは「それぞれの魚は自分がこれから進む方向を最寄りの魚の動きに従って決めているのではない」。これは従来の群知能のモデルとは異なるということです。もう一つは「視野に入った魚全体がどこに向かっている、その方向を合成して決めているようだ。」魚のアルゴリズムもベクトル和ということです(視野に入った中でのというのがポイントですが)。

それはさておき、折れない腕のカラクリはもう少し複雑という話に戻ります。

1つは筋肉を運動器官だけではなく、感覚器官として考える視点です。感覚器官であるためには、力みが邪魔になります。なぜなら力みはノイズになるからです。重力は十分に小さいので、電磁気的なエネルギーである筋細胞の収縮は大きすぎるノイズです。なるべくそのノイズを小さくすることが重要です。もう1つは先程の屈筋と伸筋の和というのは、ベクトルであって量しかないスカラーではありません。方向があり、量があります(だから矢印で記述します。矢印の向きが方向で、長さが量です、それに対してスカラーは量しかありません。時間の流れも向きは1つなので、量だけが問題になるのでスカラーです)。筋肉の収縮によって生み出される運動エネルギーはベクトルです。向きと大きさがあります。その総和が筋肉のエネルギーとなります。で、しばしば我々はアクセルとブレーキを踏んでしまいます。脂肪を燃焼する身体なのに炭水化物(糖質)を食べてブレーキをかけるのと同じです。アクセル・ブレーキです。

この気功ストレッチという概念をよりシンプルにすると抵抗(resist:レジスト)ということになります。何か動く時に抵抗を感じます。この抵抗とは言うまでもなく、屈筋に対する伸筋にあたるような筋肉を意識にあげるということです。意識にあげることでコントロール可能になります。重要なのは制御であり、コントロールです。どれだけの力を出すかが重要ではありません。
どれだけの力を出せるかが重要かに見える重量上げですら、本質は制御です。筋肉トレーニングをしてみれば分かりますが、機械で行う安全なマシントレーニングとバーベルを用いるトレーニングでは成長率は大きく異なります。バーベルのほうがケガのリスクは上がりますが、成長率は高いのです。なぜかと言えばマシントレーニングは制御がバーベルほど必要ないからです。自分の筋肉、自分の姿勢を制御(コントロール)する手間をかけない分、成長は遅くなります。で、重量上げというのは、力はもちろんのこと、その力をどうコントロールしてそのベクトル和を重力に対する抗力とするかがポイントです。だからこそ精密な制御が不可欠です。あの重さですので制御しなければ致命的なケガをします。



バレエも同じです。制御が必要です。コントロールです。ヨーガももちろん同様です。というか身体動作はすべて同じです。人工衛星が姿勢制御が大きな課題であるように、宇宙空間に住む我々も姿勢制御が大きな課題です。ちなみに角運動量保存則やリアクションホイール、宇宙空間の姿勢制御についてはJaxaの子供向けの動画が分かりやすいです(Jaxaクラブ)。保存則などは計算ができること以上に、その全体像(ゲシュタルト)をつかむことが大事です。理想的にはゲシュタルトをつかんだうえで、計算が映像というか現実の書き換えに見えることです。意味が分からず計算だけできるというのは、出来の悪いコンピュータと同じです(現在のコンピュータに比べて、脳の計算スピードは遅いので)。ゲシュタルトと演算(計算)の両輪が必要です(SyntaxとSemanticsですね)。

この気功ストレッチという考え方を「折れない腕」やアイソメトリックスから始めて、実際にワークを積み重ねながらその論理構造を頭(知識の理解)と身体に落とし込んでいきます。このアルゴリズム(論理構造)を徹底的に使うと、ありとあらゆる動きに対してこの「抵抗(Resist)」が重要であり、有効であることが分かります。
ヨーガでは、その「抵抗(レジスト)」なり気功ストレッチの感覚を目に見える形でフィードバックが取れます。すなわち異常なレベルでの柔軟性という形でフィードバックが取れるのです。正確には驚くべき速度で身体の柔軟性が回復するというフィードバックです。
そしてこの感覚が理解できたら、それを全身に張り巡らせることで美肌クリーム・ダイナミック版になります。美肌クリームという気功で想定した情報的なクリームを用いるのが気功技術の美肌クリームですが、その美肌クリームが充満した壺の中に身体が入っているというのがダイナミック版です。リハビリのためにプールの中を歩くような抵抗を感じます。そのうちに身体の中にもその美肌クリームが浸潤してきて、身体の中にも抵抗を感じます。これがダイナミック版です。
気功ストレッチをきちんと理解すると美肌クリーム・ダイナミック版になります。
この気功ストレッチも美肌クリーム・ダイナミック版も必要とされる機会はあまり多くありません(もし中国雑技団やシルク・ドゥ・ソレイユなどにお勤めでない限りは)。
必要とされないと身体も脳も努力することをやめてしまいます。
ですので、その必要とする機会を強制的に創りだすのが「ヨーガ」です。
必要性をきちんと脳に提示しておけば、勝手に脳は身体を24時間つくりかえてくれます。
一気に高いレベルまで駆けのぼり、それを維持しながら、次のレベルを脳に提示しておきましょう!


Yogaスクール開校まであと少し、お楽しみに!!


Yogaスクールで高度な身体を目指しましょう!



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