〇〇ができるようになる気功技術ありますか?などと突然に聞かれると僕が条件反射的に言ってしまうのは「〇〇って何ですか?」という質問です。
たとえばアンディオールができるようになるための気功技術ってありますか?
もしくは気功技術でアンディオールができるようになりますか?
と聞かれると、「そもそもアンディオールってなんですか?」と答えたくなるということです。
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そう言えば、質問には質問で答えよというのは一つの智慧でした。
以前ではあれば、〇〇は気功で何とかなりますか?とか、〇〇のための気功技術はありますか?とか聞かれた場合は、丁寧に答えていました。
いまはそうしていません。
なぜなら従来の方法では、機能しないことが多いからです。
たとえば「アンディオールって気功でできますか?」と百年一日のように繰り返し聞いてくる人がいます。いや納得できるまで聞いてくれて良いのですが、、、
そして質問に対して、機械的に文字通りに答えるのは簡単です。
たとえば、仙腸関節の調整であるとか、仙骨の調整、骨盤の調整、大腿四頭筋の脱力などを使えば、そしていくつかのコツをきちんと使えばアンディオールはおそらく可能です。
これらが教科書通りの回答でしょう。
しかし、、、、
たとえばこの「仙腸関節の調整」という言葉は単なる言葉なのです。
過ぎにし薔薇はただ名前のみ、虚しきその名が今に残れり
(もしくはきのうのばらはただその名のみ、むなしきその名をわれらは手にする)(ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』)
ただその名が残ったところで、その実体が伴わなければ、絵に描いた餅でしかありません。
アンディオールだけではなく、◯◯ができるようになる気功技術はありますか?と聞く前に、まずその◯◯とは何かを正確に定義することです。
正確にというのは、正しくという意味ではなく(それも含みますが、「正しさ」などを基準にすると迷宮入りします)、自分にとって手触りのあるという意味です。
たとえば、アンディオールとは何だろうと考えます。
とは言え、普通に考えてしまうと失敗します。たとえば、アンディオールを巡る妄想が広がってしまいます。
たとえば、アンディオールをすればバレエの問題はほとんど解決する。
アンディオールをすればバランスが取れる、、
アンディオールができれば、脚は高く上がる、、、
アンディオールで脚が細くなる、、、
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*理論的には間違ってはいないのですが、現実的には(その人にとっては)間違いなのです。
しかしこれらはヘーゲル風に言えば軟弱で愚かな妄想でしかないのです。
間違ってはいないのですが(それがまた厄介なのですが)、この妄想は力を持たないのです。
(「宝くじは買わないと当たらない」という戯言と似ています。この命題の正しさを論理的に反論するのは難しくても、意味を為さないことは分かります)
ここで求められている「アンディオールとは何だろうか?」という質問はそんなフワフワしたものではないのです。
Q.アンディオールとは何?
A.脚を開くこと
Q.脚を開くってどういうこと?(もっと厳密には)
A.股関節の外旋
Q.股関節の外旋のために何が必要??(どの筋肉を使う?)
という風な自問自答からはじめて厳密に具体的にしていくことです。
深層外旋六筋(という迷宮)やら大臀筋のことを学びながら、そこをいかにして意識に上げるか、股関節外旋に対して拮抗する(内旋させる)ブレーキ筋は何かをまずは考え、そしてそれを実際の動きの中で一つ一つ確認していくことです。
(深層外旋六筋を鍛えようとする人がいますが、、、深層外旋六筋は外旋に関わっているというよりは、姿勢維持に関わっていると考える方が妥当かと思います。そもそものメインエンジンは大臀筋でしょう。筋肉の強さは筋断面積に比例するので)
そのような質問を積み上げていき、調べていくと、、、自分がふわふわと思い描いていた『アンディオール』なる概念は煙のように消えていきます。
アンディオールという具体的な何かがあるわけではなく、タンジュのときの身体の使い方、アラベスクのときの身体の使い方、グリッサードのときの身体の使い方が具体的に存在し、そのときのある種の股関節外旋(だけではなく膝関節、足関節の外旋、腰椎伸展を含めて)をアンディオールと総称しているのです。
柴犬やコリーやドーベルマンはいても「犬」という存在自体がいないのと同じです。
ふわふわとした概念は結果に結びつきません。
お買い物でカレーの具材を探しているようなものです。
「カレーの具材」という商品はありません(最近はあるかも)。じゃがいもがあり、人参があり、玉ねぎがあり、カレー粉なり、スパイスなり、何なりがあるだけです(よく分かりませんが)。
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By kspoddar - http://www.flickr.com/photos/feastguru_kirti/2242523634/sizes/o/, CC 表示-継承 2.0, Link
多くの人は何でも揃うスーパーマーケットにたどり着いているのに、存在しない商品を探しています。
少し頭を使えば、欲しい品物は目の前にあるのが分かるはずなのに、、、
しかし、一手間を惜しむがゆえに「カレーの具材」という商品、アンディオールという商品を永遠に探し続けてしまうのです。
まずは厳密に手触りがあるところまで定義をすることです。
腑分けすることです。
もしくは翻訳することです。
「アンディオールができるようになるための気功技術はあるだろうか?」と思ったら、「アンディオールとは何だろうか?」と真剣に考えることです。
それも手触りがあるところまで砕いて考えることです。
自分なりの手触りで良いのです。他人にとって抽象的でもナンセンスであっても、自分なりの手触りがあれば、現実を変容させる力を持つことになります(理論は強力なツールですが、脆いツールなのです。しかし、その脆さが魔術というシステムを支えます)。これが魔術や魔法の本質であり、錬金術の教えであり、気功の肝です。いわば秘中の秘です。
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たとえばアンディオールができるようになるための気功技術ってありますか?
もしくは気功技術でアンディオールができるようになりますか?
と聞かれると、「そもそもアンディオールってなんですか?」と答えたくなるということです。

そう言えば、質問には質問で答えよというのは一つの智慧でした。
以前ではあれば、〇〇は気功で何とかなりますか?とか、〇〇のための気功技術はありますか?とか聞かれた場合は、丁寧に答えていました。
いまはそうしていません。
なぜなら従来の方法では、機能しないことが多いからです。
たとえば「アンディオールって気功でできますか?」と百年一日のように繰り返し聞いてくる人がいます。いや納得できるまで聞いてくれて良いのですが、、、
そして質問に対して、機械的に文字通りに答えるのは簡単です。
たとえば、仙腸関節の調整であるとか、仙骨の調整、骨盤の調整、大腿四頭筋の脱力などを使えば、そしていくつかのコツをきちんと使えばアンディオールはおそらく可能です。
これらが教科書通りの回答でしょう。
しかし、、、、
たとえばこの「仙腸関節の調整」という言葉は単なる言葉なのです。
過ぎにし薔薇はただ名前のみ、虚しきその名が今に残れり
(もしくはきのうのばらはただその名のみ、むなしきその名をわれらは手にする)(ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』)
ただその名が残ったところで、その実体が伴わなければ、絵に描いた餅でしかありません。
アンディオールだけではなく、◯◯ができるようになる気功技術はありますか?と聞く前に、まずその◯◯とは何かを正確に定義することです。
正確にというのは、正しくという意味ではなく(それも含みますが、「正しさ」などを基準にすると迷宮入りします)、自分にとって手触りのあるという意味です。
たとえば、アンディオールとは何だろうと考えます。
とは言え、普通に考えてしまうと失敗します。たとえば、アンディオールを巡る妄想が広がってしまいます。
たとえば、アンディオールをすればバレエの問題はほとんど解決する。
アンディオールをすればバランスが取れる、、
アンディオールができれば、脚は高く上がる、、、
アンディオールで脚が細くなる、、、

*理論的には間違ってはいないのですが、現実的には(その人にとっては)間違いなのです。
しかしこれらはヘーゲル風に言えば軟弱で愚かな妄想でしかないのです。
間違ってはいないのですが(それがまた厄介なのですが)、この妄想は力を持たないのです。
(「宝くじは買わないと当たらない」という戯言と似ています。この命題の正しさを論理的に反論するのは難しくても、意味を為さないことは分かります)
ここで求められている「アンディオールとは何だろうか?」という質問はそんなフワフワしたものではないのです。
Q.アンディオールとは何?
A.脚を開くこと
Q.脚を開くってどういうこと?(もっと厳密には)
A.股関節の外旋
Q.股関節の外旋のために何が必要??(どの筋肉を使う?)
という風な自問自答からはじめて厳密に具体的にしていくことです。
深層外旋六筋(という迷宮)やら大臀筋のことを学びながら、そこをいかにして意識に上げるか、股関節外旋に対して拮抗する(内旋させる)ブレーキ筋は何かをまずは考え、そしてそれを実際の動きの中で一つ一つ確認していくことです。
(深層外旋六筋を鍛えようとする人がいますが、、、深層外旋六筋は外旋に関わっているというよりは、姿勢維持に関わっていると考える方が妥当かと思います。そもそものメインエンジンは大臀筋でしょう。筋肉の強さは筋断面積に比例するので)
そのような質問を積み上げていき、調べていくと、、、自分がふわふわと思い描いていた『アンディオール』なる概念は煙のように消えていきます。
アンディオールという具体的な何かがあるわけではなく、タンジュのときの身体の使い方、アラベスクのときの身体の使い方、グリッサードのときの身体の使い方が具体的に存在し、そのときのある種の股関節外旋(だけではなく膝関節、足関節の外旋、腰椎伸展を含めて)をアンディオールと総称しているのです。
柴犬やコリーやドーベルマンはいても「犬」という存在自体がいないのと同じです。
ふわふわとした概念は結果に結びつきません。
お買い物でカレーの具材を探しているようなものです。
「カレーの具材」という商品はありません(最近はあるかも)。じゃがいもがあり、人参があり、玉ねぎがあり、カレー粉なり、スパイスなり、何なりがあるだけです(よく分かりませんが)。

By kspoddar - http://www.flickr.com/photos/feastguru_kirti/2242523634/sizes/o/, CC 表示-継承 2.0, Link
多くの人は何でも揃うスーパーマーケットにたどり着いているのに、存在しない商品を探しています。
少し頭を使えば、欲しい品物は目の前にあるのが分かるはずなのに、、、
しかし、一手間を惜しむがゆえに「カレーの具材」という商品、アンディオールという商品を永遠に探し続けてしまうのです。
まずは厳密に手触りがあるところまで定義をすることです。
腑分けすることです。
もしくは翻訳することです。
「アンディオールができるようになるための気功技術はあるだろうか?」と思ったら、「アンディオールとは何だろうか?」と真剣に考えることです。
それも手触りがあるところまで砕いて考えることです。
自分なりの手触りで良いのです。他人にとって抽象的でもナンセンスであっても、自分なりの手触りがあれば、現実を変容させる力を持つことになります(理論は強力なツールですが、脆いツールなのです。しかし、その脆さが魔術というシステムを支えます)。これが魔術や魔法の本質であり、錬金術の教えであり、気功の肝です。いわば秘中の秘です。
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