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Channel: 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ
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会社は学校ではないので 〜ビッグベンの鐘の音とともに修了〜

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イギリスのビッグベンの鐘の音が、学校でもたまに会社でも同じサウンドが使われているからといって、会社は学校ではありません。会社を学校と思う人が稀にいます。ビジネスは自分を育てる場ではありません(結果的にそうであることと、そのような場であることは別です)。


会社組織は利益を追求する場です。利潤の追求と言っても良いと思います。
そのために存在し、それ以外はありません。

ここで誤解されがちなのは、その利益が誰のものかという点です。

結論はシンプルです。安易な理解としての会社の利益ではなく、当たり前すぎることですが顧客の利益です。
会社の存在意義とは、顧客の利益をいかに最大化することに腐心するかです。そしてその結果自体が会社の存続の条件です。

それ無しでは会社の存続の理由がないばかりか、存続することが物理的に不可能になるのは当然です。もちろん、主たる顧客が国家という場合もあるでしょうが。

会社を学校と勘違いしているおめでたい人は、どれほど誠実であっても、会社に対する背信行為をしており、顧客に対する裏切りをしていると認識すべきです。
「会社の金で」という表現がありますが、それは顧客から預かったお金です。そのお金を運用してより良く顧客の利益を追求すべく組織を運営して欲しいと委託されている資金であると僕は考えます。

無邪気な物々交換信仰から逃れられない人には理解できないでしょうが、等価交換というのはその抽象度で理解してはいけないのです。むしろ消費は未来への投資であり、その会社の商品を購入するのは、その会社に一票を投じる民主的な行為であり、その会社に投資する経済的な行為であると考えます。
ドラッカーは「利益は目的ではなく、継続のうえでの条件」と言いましたが、逆に利益がなければ継続はしません。ましてや目的になるはずもないのです。ですので、「お金持ちになりたい」とか、「年収アップ」と真顔で言われると、説得する気も失せます(そもそもありませんが)。目的にしていてはアウトなのです。


だからこそ同じスペックで、より高価な方を選んだりという単純な世界観では、不可解な経済行動が起きたり、ブランドに対するロイヤリティが生まれるのです。これは物々交換を等価交換の意味でと考える知性には理解できません。

等価交換の原理はもっと抽象度が高いもののです(上記のように比喩的に言えば、投票行動であり、投資行動です)。時間と情報空間に広がる行為であり、概念であるということです。

会社が従業員たる人間を急速に成長させるというきわめて稀なケースが起こることは事実です。
しかし、会社の機能は「教育」ではありません。会社の機能は利益の追求であり、その利益の追求の主体は顧客です。顧客の利益の追求が会社の機能です。その会社の機能を果たす上で、そのサービスをする主体が愚かであっては、顧客の利益は最大化されません。だからその機能を果たすために、副次的に構成員(会社員・従業員)の能力は引き上げられます。それは本人の努力によって、もしくは周囲のサポートによって、または組織の教育システムによって(マニュアルから先輩の指導まで)、そして顧客によってです。

学校は教育サービスを提供する側であり、生徒はもちろんお客さんです。お金を払うのは代理人である場合もあれば、本人である場合もあるでしょうが(実際に学校は莫大な収益をあげるビジネスモデルです。その上なぜか税金まで投入されていれば、ダメになるのは必然的です。言い方は適切ではないですが、悪銭身につかずです。税金を使って何か意味のあることをするには、それ相応の抽象度が必要かと思います)。しかし会社は逆です。従業員は教育サービスの享受者ではありません。サービスの提供者です(サービスの提供というのはサービス業に限定しません。農業でも工業でも本質的には顧客が購入する以上はサービスであるという意味で、「サービス」の概念をここでは拡張しています)。


結論はシンプルです。

会社は利益の追求が機能であり、誤解されがちですが利益の追求とは顧客の利益の追求です。顧客の利益といったときに、視点が低いと「安値で売れば喜ぶ」という計算になります。当たり前ながら、お金は1つの尺度でしかなく、利益をはかるための物差しの1つでしかありません。利益とは価値とつながる概念で、価値をはかる尺度は金銭だけでは毛頭ありえません。

顧客の利益を追求するためには、事業を継続しなくてはならなく、金銭的な利益というのは当然に継続の条件です。もちろん顧客との関係が継続することが顧客の利益の場合はです(事業が継続しないほうが顧客の利益の場合ももちろんあります。その場合は継続しないほうが顧客の利益です。一概に継続すればいいってものではありません)。

で、構成員たる従業員なり会社員はサービスをする側であり、される側ではありません。当然ながら。
最初の話に戻ると、学校と会社は似ていて(チャイムが同じところまでありますが)、ベクトルは全く逆向きです。結果的に学ぶことが多く、成長するかもしれませんが、それは結果論です(というかどんな環境でも真剣に生きていれば不可避的に成長せざるを得ません)。


そんなわけで、長く続いていた開業コーチングもウェストミンスター寺院(国会)の鐘の音とともに修了とします。お疲れ様でした。それぞれがそれぞれのビジネスの場で輝くことを祈っています!


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